本文へスキップ

そろばん学習で人間力を高めます。

電話でのお問い合わせはTEL.072-895-6230

〒576-0022 大阪府交野市藤が尾4-6-10

アラカルト−思いつくままに、思いついた日に

2012年2月29日(水) ホームページビルダー

3日前の山本先生のお通夜で、ある先生からこのホームページについての話を聞きました。
「リニューアル前のホームページは何年も変化がなかったのに…」

ひょんなことで知り合ったあるIT業者さんの好意で作っていただいた前のホームページは、最初に提供したコンテンツに全く変更も追加もなく、一体何年間放置したままだったのか思い出せないくらいです。
「遠慮せずにどんどん色々なリクエストをして下さい」と仰っていただいたものの、なかなかそうもいかず、結局放置したままになっていたのでした。

ホームページをご覧になった方からのお問い合わせには、まずは「申し訳ありません」と詫びることから始めなければなりませんでした。何しろ、ホームページに載っている内容から変わっているものがいくつもあるのですから、誤った情報を与え続けているわけです。
何とかしなければとは思うものの、何からどう手をつけて良いかわからず、いたずらに月日ばかりが過ぎていきました。その間、色々な業者さんが教室にやってきては、ホームページ作成代行の話をしてくれていましたが、自分自身で直接更新作業をしなければ、いくら「お気軽に」といわれてもやらないことがわかっていましたから、のらりくらりと逃げてきました。先の業者さんとも連絡が付かず、途方に暮れていたものです。

そんな折、ホームページビルダーというソフトがあることを知りました。「2時間でできる」というコピーに一瞬心を動かされましたが、そんな楽に事が運ぶはずがないことは今までさんざん経験してきています。1か月間、ずっとこのソフトのことが気に掛かっていたならその時は具体的に動こうと決め、はたして1か月後。お試し版をダウンロードしました。

「2時間でできる」というのはやはり私には無理でした。確かに、準備されたものをその通りに操作していけばできるのでしょうが、自分でやり替えなければならないところは当然あるわけで、壁にぶち当たってはやり直し、またぶち当たっては別の道を探し、ぶち当たっては諦め、を繰り返すこと数日。本屋さんに走って解説本を買いました。
ところが今度は、解説本通りにやろうと思っても、体験版を使っているためにいろいろと制約があり、フラストレーションがたまる一方です。本の通りにならないことがいっぱいあるようなのです。

結局、製品版を買いに今度はパソコンショップへ走りました。悔しいことに製品には、つい先頃買った解説本が付録としてもれなく含まれていましたが仕方ありません。

というようなことがあって、ようやくこのホームページが一応の完成をみたのです。

センスの善し悪しなど、判断すること自体が失礼なほどの出来映えなのはわかっています。
このアラカルト欄をみればそれは一目瞭然です。4か月の間、時間がある時に書き連ねてきていますが、ページの変え方もわからず、何行でも書けることをいいことにベタ打ちのオンパレード。写真、イラストの類いは全くありません。
さらに、なぜだか最近はアラカルトを書いている途中でよく「ホームページビルダーは動作を停止しました」というメッセージとともに強制終了されてしまいます。下に何行あるか数えるのも億劫なので数えませんが、もしかするとそんなことも影響しているのかもしれません。一昔前はこんなとき「致命的なエラーです」というメッセージボックスが出てきて肝を冷やしたものですが、さすがにこんな暴言は最近のパソコンでは出てこなくなりました。

で、書き始めに登場された先生の話です。
「書くことを探しているうちに夜中になることもあります」と言うと、
「えっ、あのホームページ、自分で作っているの?」と驚かれました。誰かが私のかわりに作っていると思っていらっしゃったようです。確かに、骨格はソフトが準備してくれていますから、私はそれに多少の肉付けをしているだけだと言われればそんな気もしますし、でもどんな美人もそうでない人も一皮むけばみんな似ているので付ける肉の形が大切な気もしますが、まあいずれにしましても、以前の、全く手つかずのホームページの反動なのか、なんやかんやと書き続けて4か月。そろそろ新しいページに替える頃かと感じています。

2012年2月28日(火) 基本を踏まえつつ、基本を破る

星の郷教室は時間制授業体制をとっていますが、実力別編成をしているわけではありません。
何時間練習しても良い無制限クラスを選択している生徒の割合が6割を超えている現状から、実力別編成をしたところですぐに目茶苦茶になってしまいます。
入会直後の幼稚園生が最初のクラスから3時間連続で練習していることもあります。

ですから、教室内で唯一実力別に分けられるのは座席配置ということになります。

習い始めてからしばらくの間は正座席。J1練習に入ると正座席の最前列が定位置に。上達するにつれてやがて椅子席にかわり、段位生や大会に出場する生徒たちは、一番奥まったところに座ります。

三人掛けの机を向かい合わせ、6人が同一問題で練習します。一通り終了して交換審査。その後、互いに教え合う声が聞こえてくることがあります。どうすれば正確にできるか、どうすれば早くできるかなど、生徒同士で情報交換をしていますが、とんでもない間違いや、してはいけないことを教えているのでなければ、私が口を差し挟むことは、まずありません。

かけ算の一部分に暗算を採り入れたり、わり算の省略する桁数を考えたりする作業は、回り道のようでいて、そうではありません。教えてもらうことで考える時間は省略できますが、そこには「発見」や「開発」する喜びはありません。
また真理にたどり着くまでに経験する紆余曲折や挫折・失敗は、大きな成功を得るための栄養分でもあるわけです。

基本を踏まえた上で自分に合った方法に改良して計算している生徒たちからは、教え込まれてすぎていないゆえの、したたかな強さを感じることがあります。またストレートに、「そんな方法があったのか」と感心させられることもあります。

「必要は発明の母」。至言だと思います。

2012年2月27日(月) 特別練習

先週の土曜日は、3月11日開催の西日本大会のための特別練習を行いました。
メニューは至ってシンプルで、「種目最高点が出るまでやり続ける」というものです。

全生徒の練習成績や出席状況をエクセルで管理しており、授業中にリアルタイムで成績を入力していきながら全生徒の答案を見ます。気になる箇所や注意すべき間違いはその時にチェックしていきます。
誰が何日に何時間練習したのか、その時の練習成績はどうだったか、種目の最高点は何点か、高得点が出た時の計算時間、テキストの進んだページ数など、教室内で行う練習内容と成績をすべて入力し、パソコンのモニターをテレビで全員が確認できるようにしてあります。

さて、特別練習です。一人ずつかけ算の過去最高点を読み上げながら、それぞれの目標点を決定していきます。その得点をクリアすれば次の種目に進むことができ、クリアできなければ同じ種目を続けます。

1回目の計時。10人でかけ算を開始。3名がクリアして、わり算へ。

2回目の計時。3名がかけ算をクリア、2名がわり算をクリア。

3回目の計時。2名がみとり算をクリア。かけ算・わり算はそれぞれ複数人がクリア。

4回目・5回目の計時とも、みとり暗算を誰もクリアできず。ここでルールの変更。みとり暗算は2回連続満点を記録しないとクリアできないことに。

以降、延々と計時が続きました。

おもしろいのは、かけ算で最後まで残った3名。どんどん自分自身にプレッシャーをかけ続けていくことによって、日頃できている題数まで到達できないどころか、慎重になりすぎてどんどん速度が低下していきます。一生懸命速度を上げようとしても足かせをはめられているようで、リズムもへったくれもあったものではありません。
でも、実はこれが本番に最も近い練習かもしれません。指がガチガチになってうまくできなくなるのを当然のこととして練習を積んでおくことが本番に生きてきます。

猛烈な緊張感に襲われる状況を練習で経験しておくのは良いことです。
そして落ちるところまで落ちて、どん底を見たあとは自力ではい上がるのです。

みとり暗算で、どうしても最高点が出ず、20回ほどみとり暗算ばかりを繰り返した生徒がいます。
この生徒の最高点は「瞬間最大風速」みたいなもので、出会い頭的に出たものでした。つまり平均点と最高点に大きな差があるのです。
でも、この練習を続けていくうちに、最高点に少しだけ足りない高得点を連発するようになりました。
通常の練習ならば、自己ベストに近い点を取れれば一応満足をしていたのでしょうが、「種目最高点が出るまでクリアできない」練習だと妥協点が上がるため、最高点に近い点数が普通の点数になったのです。
ゴールをいつもより先に置くことで、「最高点に近い点数」は、「満足なもの」から「単なる通過点」に格下げされたのでしょう。

これを私たちは何気なく「進歩」と呼んでいます。

2012年2月26日(日) 2月塾報

2月号の塾報を『塾報ページ』に掲載致しました。

今月号には先頃行われた日本商工会議所主催珠算能力検定試験の合格者を掲載しましたが、今回の試験の1級合格者に中学生が多かったことが目立ちました。合格者のみとり算の得点が高かったのも特徴で、集中力の高さと、落ち着き具合が結果から見て取れました。まさに、中学生ならでは、です。

種をまき、新芽が出て、茎が伸び、花が咲いて実がなるというのは、人間の成長にもピッタリと当てはまるような気がします。
早期教育花盛りの昨今ですが、なった実が熟すのを自分自身で腹の底から実感でき、味わえるのはどんな分野でも中学生以降。自分が何者であるかが何となくわかり始め、努力の意味を知り、悔しさもうれしさもいくつか経験をした上で、努力の質を高めることができたあとに味わう熟した実は、格別なものだと思います。

2012年2月25日(土) 巨星墜つ

京都・猪熊珠算教場の山本正春先生が本日ご他界なさいました。

私は今年1月4日にお目にかかったのが最後でした。その時の様子をこの欄でも触れましたが、最後の最後まで、そろばん教育に全身全霊を傾けられた偉大な先生でした。

訃報は、午後2時過ぎのお電話でした。私はその10分ほど前から昨年のユース大会の資料の整理をしていて、昨年会場からきれいにはがして持って帰ってきた『ようこそ京都へ』のポスターを見つけ、今年も会場に張っている光景を想像していたところでした。このポスター、実は昨年の大会に合わせて山本先生につくっていただいたものです。
昨年の大会が終わった時、『来年も作っていただけるかな』と思って大切に持ち帰ったものでした。

あまりにも思い出が多すぎて、そしてお世話していただいてきて、山本先生のことを語るにはいくら時間や紙数があっても足りません。

2年半ほど前、猪熊珠算教場創立50周年の塾報に掲載する文章を山本先生から依頼されたことがあります。大阪の、しかも他教室所属の私でしたが、高校生の頃から大会会場で顔を合わせては色々とお声をかけて頂き、嫁には猪熊珠算教場の卒業生を、そして今、星の郷教室で指導を手伝ってくれている2人の先生も猪熊珠算教場の卒業生で全員10段という、珠算塾としてはあり得ないほどの幸運を生み出していただいた先生のご依頼を断ることなどできるはずもなく、多くの先輩方のうらやむお顔を想像しながら小文をしたためました。
ここに謹んで転載させていただきます。山本先生の人となりのわずか一部分でも皆様にお伝えできればこの上なく幸せに思います。

***************************************************

「おかげさまの精神」  星の郷総合教室主宰 金本和祐

 半世紀にわたって好きなことをやり続けられるということ。
 思いつくままにいくつか必要な要素を挙げてみます。
 ご本人の努力やご家族の皆様のご協力。運、巡り合わせ。生徒たちのがんばりや保護者の皆様のご理解とご支援。他の先生方との連携。地域の皆様のご寛容なお気持ち。健康。
 どれか一つが欠けても不可能なことに違いありません。
 しかしながら、どれ一つをとっても50年間も続けられるかというと、これまた自信を持って頷ける人は少ないでしょう。

 今まで人は「競技の鬼」「作問の鬼」などと、山本先生のことを評してきました。厳しいご指導と華々しい実績があればこそのもっともな評価で、絶妙のネーミングだと言えるかもしれません。
 しかし、それでは何かものたりない。山本先生の人となりの、ある一面だけしか評しえていない気がするのです。違和感すら感じてしまうほどです。

 つらつらと考えてみるに、どうやら違和感の正体は、「鬼」と形容される人の口から発せられる「おかげさま」という言葉にあることに思いが至りました。良い話しの始まりと終わりはいつも「おかげさんでなぁ」。耳にしたことがある人も多いことでしょう。
 「鬼」と「おかげさま」、このジャンルが全く違う不釣り合いな言葉が違和感を生み出していたのです。
 先に挙げたいくつかの要素。そのどれもが、すべて山本先生なればこそのなせるワザであり、山本先生なればこそ起こりうることで、その結果が賞賛と羨望を込めた「鬼」という評価につながっているのは間違いないのに、ご本人は心底からの「おかげさんでなぁ」という一言で片付けてしまうわけです。自己満足という観念など微塵も入り込む余地のない「おかげさん」。満足するところがないわけですから探求心と向上心はとどまるところがありません。

 実は私は山本先生より二回り近くも年下ですが、ある一時期、山本先生が一方的に私のことを「先生」扱いして下さったことがあります。
 長年の酷使がたたり、山本先生の視力が急激に落ちだした頃でした。ワープロの画面にかじりつくようにして日々教材や塾報作りをされる先生に対して私は、「もうワープロの時代は終わりました。これからはパソコンの時代です」と、半ば強制的(?)にワープロを諦めていただく、すなわち目の酷使を止めていただくように伝えたことがあります。
 結果は、火に油を注ぐことになってしまいました。「そうか。これからはパソコンか」と納得された先生はさっさとパソコンに乗り換えてしまったのでした。私は、失礼ながら年齢的に考えてみて、(世間一般の多くの管理職の皆様は当時そうであったように)パソコンへの挑戦をなさらないだろうと思っていたのですが、うっかり「鬼」であることを忘れていたのです。「はじめだけ教えて」という山本先生に、少しだけ山本先生よりも早くにパソコンで仕事を始めていた私は、わずかばかりの知識を山本先生に伝えました。そのときの態度は、まさに先生と生徒です。先生の自覚など微塵もない年下の私と、生徒の自覚がみなぎる年長の山本先生。周囲にはさぞ滑稽に映ったことでしょう。見事なまでのけじめの付け方に私は心底感心してしまいました。
 以来、約10年ほどが経過したでしょうか。弟子は見事に師匠の期待を裏切って、数台のパソコンに囲まれ、倍旧の仕事量とワープロでは表現できなかったハイレベルな作品を次々と生み出していらっしゃいます。「君のおかげでパソコンに巡り会った」。「鬼」と「おかげさま」はここでも見事に同居なさっています。

 飽くなき向上心と探求心、そして今までの実績は、すべて現在の生徒の皆さんをいかに伸ばしていくかという目的達成のための礎となっています。
 現役生の皆さんがいらっしゃるおかげで今の指導が実践でき、そのおかげで生徒の皆さんが一段と伸びていく。 おかげさまの精神を、是非「鬼」のお膝元で体験なさって下さい。

***************************************************

合掌

2012年2月24日(金) 目先にこだわる

「目先にこだわる」のは、長期的な視野に欠けていたり、思慮が浅いというような、どちらかと言えばあまり良いこととはされていない場合が多いものです。

長い目で見れば、確かにそうだと思います。

でも、長期目標を達成するために必要な小さなステップである短期目標はまさに目先のことに違いないのですが、徹底的にこだわって乗り越えて欲しいと思います。こだわってこだわって、あきらめずくじけず、可能性に自分で線を引かずに確実に乗り越えて欲しいと思います。

毎日毎時間、もっと細かく言えば1種目、1分、1秒に短期目標を設定し、プリントを表向ける動作や数字1文字を書く速度にまでいつも課題と目標を持って取り組んでいる生徒は、確実に早く伸びていきます。

中高生でそろばんの練習を続けている生徒は、練習時間が小学生時代のようにとれない中でも着実に伸びていっています。理由は、練習の密度が高まっているからなのです。短期目標と長期目標のバランスが調和しているからなのです。

そろばんの練習において設定されている短期目標で、乗り越えられない壁はありません。壁が存在するとすればそれは自分の心の中に、自分で作ってしまった壁なのです。

この壁を崩すには、壁の前に新たにもっと小さなステップを作って、自力で乗り越えていくことを繰り返すしかありません。誰かの後押しをもらって乗り越えられても、また新たな壁を自分自身で作ってしまいますから、とにかく何が何でもいったんは自力で乗り越えなければなりません。
そして乗り越えられたら、今度はその地点がスタートラインです。レベルが1ランク上がっています。できなかったことができて当たり前になるのです。この成就感が、新たな短期目標をクリアしていくためのエネルギーとなります。

こういった経験を積んでいった人間は、強いものです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
今日、塾報を作っていて、上に書いたような文章をどこかに入れたかったのですが、スペースが無くなってしまいました。

2012年2月23日(木) 急がば回れ その2

今までこの欄で幾度となく触れてきたJ1練習。J1練習は、加減算のやり方を覚えた生徒がかけ算練習に入る前に通る関門で、速度と正確性、さらには暗算力をつけるために行っています。
小学2年生以下の生徒はこの練習を行っている期間にかけ算九九の暗記をがんばるわけですが、中にはなかなか九九を覚えられないためJ1グループから抜け出せない生徒もいます。
現在、J1練習に入っている生徒は約40名。そのうち、正確性も速度も暗算力もすべて卒業基準に達していながら九九を完全に覚えられないためJ1に残っている生徒が、小学1年生1名と幼稚園児2名の計3名います。
これらの3名は、加減の習得過程でも何度か復習のために教材をやり直した生徒たちでもあるわけですが、今ではJ1の問題をすべて暗算でこなしてしまいますし、フラッシュ暗算では1級の練習をしています。でも、「7×6は?」と突然聞くと、十数秒考えてから「24」や「37」などと、答えてしまう生徒たちです。

頭の中でそろばん珠のイメージは完全にできあがっていて、イメージを自由自在に展開する能力は十分育っているものの、理解して記憶する論理の脳が年齢相応に今発達している段階なのでしょう。

暗算力とはイメージを正確かつに高速に展開できる能力ですから、この3名にとって暗算力を伸ばすという観点で考えると、九九をなかなか覚えないということが実はとても役立っていることになります。
暗算力を伸ばすことと九九の暗記とでは、割合からいうと明らかに前者のほうが困難なわけですから、長い目で見ると、J1で加減を徹底しておくことが有効な練習ということになります。

標準的なカリキュラムが無いと指導に混乱が生じますが、基本をきっちりと定めた上で、カリキュラムに縛られすぎないような柔軟性も持ち合わせることの大切さを、これらの生徒たちは教えてくれています。

2012年2月22日(水) 頭の中は…

今日の最終授業。暗算練習が終わって、数人の生徒に、暗算でイメージする珠の色、形、大きさ、イメージする場所、一珠と五珠の違いなどなどを尋ねてみたところ、尋ねなければよかったと後悔するくらい、さまざまな答えが出てきました。
一番違っていたのは「珠の形」で、ハッキリとした六角形から、丸と四角が混ざったような形、長方形、横線、円など多種多様。「形は何も無い」という強者もいました。

唯一と言ってもいい共通点は一桁の珠の位置で、想像している範囲を横長のスクリーンだとすると、スクリーンの中央か、中央から右よりに置くことでした。これは、そろばんを初めて触った時の一の位がふつうはそろばんの左側にはこないことによる影響かもしれません。
以前この欄でタイマーについて紹介させて頂きました『暗算力開発システム』というソフトには、暗算で計算するイメージを明示するプログラムも含まれています。このソフトを使って暗算練習に入った生徒の多くは、モニター上に表示される楕円形のそろばんの珠が頭に浮かぶことでしょう。

ちなみに私自身は、高速で暗算をする場合は、1が横線、2は太線、3は正方形、4は長方形で色は透明がかった黒。より正確に計算するために速度を若干落とすと、2の太線が二重線に、3や4の正方形や長方形に横罫が入って珠が一つずつ区分されているようなイメージになります。
読み上げられた数を計算するような低速での暗算は、珠はもう少し実際の珠に近い形になります。

頭の中のことを文字にするのは至難の業です。
書いている本人がわからないのですから、これをお読みになっていらっしゃる方はもっと大変だと思います。

ですから、あまり深く考えないで下さい。

2012年2月21日(火) 不思議な空間

今日の1時間目、元教員と現職の教員の方々が、そろばんの授業を見学に来られました。

1時間目は幼稚園児から中学2年生まで50名が練習していました。

当教室は全生徒のうち7割以上が何日でも何時間でも出席できる『無制限クラス』を選択しているため、どの曜日の何時間目に何人が出席するのか、そして出席するのは誰なのか、よくわかっていません。
ですから「いつ見学に行けばいいのですか」と尋ねられましても答えられないのが実情で、生徒が満杯で見学するスペースが無くなることもあります。

今日の1時間目の50名というのは平均的な出席人数で、さまざまな実力を持ったいろいろなタイプの生徒がほどよく入り交じっている状態です。ですから見学して頂くにはベストな人数だったかもしれません。

ここ数日の練習グループは、
・入会間もない生徒が使う教材『パーフェクト』を使用しているグループ
・『パーフェクト』を卒業し、『J1』プリントで速度と暗算力をつけているグループ
・『J1』を卒業して、乗除教材の『瞬達』を使用しているグループ
・暗算検定試験に向けて練習しているグループ
・暗算検定を卒業し、西日本大会やユース大会に向けて練習しているグルーブ
・全日本大会出場を目指して、全国珠算教育連盟段位試験の練習をしているグルーブ
に分かれています。

一番の大所帯は暗算検定グループですが、ここも1級から6級まで、結構バリエーションに富んでいます。さらに、高学年生にとってのわり暗算と低学年生にとってのわり暗算は、同じ種目とはいえないほど難易度の感じ方にバラツキがあり、また、みとり暗算もそろばんをイメージする力の強弱によって生徒間に実力の差が大きく現れることから、同時に暗算検定の練習を行っていても同じグループとは言い難いほど細分化しています。

一つの空間に、さまざまなことをしているグループが点在している状態は、学校の教室ではおそらくあまり見られない光景であると思います。そろばんという共通項はあるにしても、やっていることがあまりにもグループ間で異なっているのです。
その上、同じグループに異なる学校、異なる学年の生徒たちが属しているのですから、これはもう学校ではあり得ません。

そんな空間で生徒たちは無駄口一つ叩かずに集中して課題に取り組んでいます。目的意識がハッキリしているので迷いもありません。

「不思議な空間でしょう」と私。
だまって頷かれる先生方。

いつもそこに身を置いている私自身でも感じることがある何ともいえない心地よい緊張感をご見学の先生方にも味わって頂けたなら大変うれしく思います。

2012年2月20日(月) インフルエンザ

今日は2月12日実施の日本商工会議所珠算能力検定試験の成績発表でした。

寒い時期の試験は、受験生のコンディションが大きくものをいいます。
この時期の体調管理は特に難しく、当教室だけでも2・3級でそれぞれ5名の欠席者が出ました。
ほとんどがインフルエンザです。

2年前の新型インフルエンザの時は試験の延期も検討されたくらいでしたが、新型も2年も経つと扱いは小さくなり、単に欠席扱いとなります。
インフルエンザに罹った生徒は学校では出席停止になり、停止中に生じる不利益には何らかの措置が講じられることもありますが、そろばんの試験では救済措置はありません。

罹ったものの責任だといわれればそれまでですが、受験生の大半が小中学生で、インフルエンザの流行が学校を中心に広まることを勘案すれば、特にこの時期の試験は弾力的な運営がなされても良いのではないかという意見が先日の試験日、先生方の間でささやかれていました。

資格としての試験と、技術の到達度を表すための試験。そろばんの試験に対する社会の要請も考慮して、多くの皆さんにとって一番良い形を考えてみるのも必要かと感じています。

2012年2月19日(日) 塾報作り

特別練習予定
暗算検定の案内
大会の案内
春休みの日程
検定結果
1級合格者の横顔紹介
学習科復活予定の案内
ある生徒の成長について
出席時間の多い生徒
進度の速い生徒
フラッシュ暗算検定合格者
その他

以上が25日発行の塾報に書こうと思っている漠然とした内容です。ここ数日間で仕上げなければなりませんが、まとまった時間がないとなかなか筆が進みません。
少しずつ記事を書いておけばいいのですが、それもなんだか気が乗らず、結局、家族が寝静まった夜中に2〜3日かけて一気に作成ということになってしまいます。

静かな環境で文章を考えるなんていうのは今の我が家では奇跡です。笛、おもちゃのピアノ、ピアニカ、エレクトーン、音読、口笛、けんか、etc.
子どもたちが起きている間、ずっと何かが鳴っています。
文章を書いていても、学校であったこと、宿題の質問、世の中への不平不満、ちょっとした自慢話などを横で話しています。生返事で適当に受け流そうとすると、耳元にやってきて直接脳髄に話しかけてきます。

「今、文を考えているからちょっと静かにしておいてくれ」

そう言うと静かにしていますが、私への当てつけのように抜き足差し足で部屋の中を歩き、それが楽しくて結局兄弟姉妹で大笑い。まったくの逆効果です。

とにかく、ここ数日間は塾報のことで頭がいっぱいになります。保護者への情報発信の唯一の手段ですから、手を抜いたり、気を抜いたり、力を抜いたりという、「抜く」のが御法度なのは当然のこととして、書き漏れやミスがあってもいけません。

その前に、明日は先週の試験の成績発表日でもあります。受験生全員の成績と、試験直前の練習成績(平均点・合格率・最高点・練習回数)を一覧表にして配布しますが、一覧表の作成は、明日、小学校で午前中の授業を終えてからということになります。

今週もめまぐるしい一週間になりそうです。

2012年2月18日(土) 日本珠算連盟段位認定試験練習問題ダウンロード

昨年の6月検定から、日本珠算連盟の暗算段位問題が改定されました。
一言で言うと、6段までは易しくなり、7段以降が難しくなりました。

平成14年の大改定に合わせてサンライズ誌から出版していただいた段位の練習問題が1週間ほど前に在庫ゼロになりましたので、ダウンロードフリーのプリント集として「資料」ページに掲載しておきます。
問題程度が変わったとはいえ通常の練習には十分使える問題です。

新基準に合わせた使いやすい練習問題は「珠算指導事例TIPS」のホームページからご購入になれます。一般社団法人大阪珠算協会発行のものですが、正規の半分の問題量を基本としつつも乗除は大多数の受験生に合わせて名数問題を多くしてあります。

さて、今日の特別練習には、少し前にこの欄でご紹介致しました「もう少しでご自宅が火事扱いされそうになった先生」と生徒さん8名が参加してくれました。わずか2時間ほどでしたが、とても密度の濃い、良い練習ができました。
もともとは先生お一人で来られる予定でしたが、ならば是非生徒さんもご一緒にとお誘いしたのがわずか2〜3日前のこと。他の教室での練習に短期間でこれだけの人数が集まるのは勢いのある証拠で、それは生徒さんの実力にもはっきりと表れていました。
休みが無くなることもいとわず、生徒が伸びる要素が少しでもあるのならば可能な限りあらゆる大会や行事を見学され、翌年には参加して反省と課題を見いだし、その翌年には課題を克服してさらに上を目指される先生の意志と行動力が短期間での大きな飛躍につながっているものと拝察します。

今後も今日のような合同練習会ができるよう企画していきたいと思います。お近くの先生方、ご一緒にどうですか。

2012年2月17日(金) 1級の半分が2級、2級の半分が3級

そろばんの世界だけでなく、今や多くの分野で技術の到達度や地位を表すものとして採用されている段・級の制度。
最初は上がりやすく、高度になるにつれて上がるのが困難になるのは登山道と同じです。
ところが、数字上は10級から1級まで均等に10段階あり、段にしても初段から十段まで10段階あることから、それぞれの段差がほぼ同じ高さで設定されているという思い違いを起こしてしまうことがあります。
「3級までは順調だったのに…」
「2級の試験に5回も落ちてしまった」
「2級から1級まで2年もかかった」

例えば、2桁で割るわり算が入るとき、小数の計算が入るとき、桁が2桁以上増えるときが、目に見えて難しくなるときと言えますが、それでも級で言えば7級から6級へ、4級から3級へ、2級から1級へというように単に数字が一つ減るだけですから、6級から5級に上がるのと何ら違いがあるようには見えないことがこういった思い違いにつながっています。

かけ算問題で6級程度の「3桁×2桁」から一つ級が上がって「3桁×3桁」になると、一題で使用する九九の数は6から9へ1.5倍になります。指を動かす回数も1.5倍になるわけですから、桁が1桁上がるだけで難易度は1.5倍になると言えます。
2級程度の「5桁×4桁」から1級程度の「6桁×5桁」になると、これも使用する九九の数は20から30へと1.5倍になります。2級くらいになるとかなり高速に指が動きますが、それをさらに1.5倍の速さに高めないと1級レベルには到達しません。

水を十分に含んだタオル。初めのうちは楽に絞れますが、だんだんと絞っても絞っても水が出てこなくなるように、級や段の実際は、上に行けばいくほど難易度はどんどん増していきます。
1級の半分の力が2級、その半分が3級、そのまた半分が4級……という具合にとらえるくらいがちょうど良いかもしれません。

ダイエットも、こんな感じです。

2012年2月16日(木) 2級問題みとり算の途中解答

2月9日・10日のアラカルトで触れました2級問題の解答を追加しました。「資料」ページからダウンロードできます。
追加致しました解答は、みとり算の4番・5番の途中までの合計です。

例えば5分で計時する場合、ようやく3題あるいは4題計算できた生徒が、あと1題計算題数を伸ばすには、通常何か月もの期間を要します。ということは何か月もの間、最高点は頭打ちになるわけです。
そこで、ジワリジワリと伸びる実力を点数化するために、途中までの答えが合っていれば得点を与えるという制度で採点するようにしました。そのための答が今回ご紹介させて頂いたものです。

4番と5番に関しましては、「ヤメ」の合図がかかった時に布数している口はそのまま布数し続けてもよいこととし、その口までの答を書きます。通常は1題20点で採点しますが、4番と5番に関しては途中までの答えが合っていればその口数を得点とします。すなわち、4番の3口目までの答えが正解ならば、4番の得点は3点となります。4番と5番のみ、部分点を与えるわけです。
基本的にみとり算はそろばんを使っての一括計算で指導していますのでこういった採点方法が可能なわけですが、分割計算で指導される場合には、分割記入された答の数字分に応じて部分点を与える方法も採れると思います。

残り数秒を決して無駄にしない姿勢を植え付けるためにも、諦めずに精一杯取り組めるような採点方法をご紹介させて頂きました。

なお蛇足ですが、星の郷教室でこの問題を使ってよく練習していた頃は、途中の答を生徒が発表する時、「○○回、△番、☆口、※※※※※」とハッキリよどみなく言えないと得点を与えないようにしていました。複数の生徒が発表するのですからテンポよく進まないと時間の浪費になるだけでなく、空気までがどんよりしてしまうのを防ぐためでした。もちろん最初からそんなにうまく言えない生徒がたくさんいましたが、頑張って流れに乗ろうと努力する姿勢が見えればどれだけ言い間違えてもつっかえてもOKでした。

この文章を書きながら、何回も言い直しをさせられていた生徒の顔を懐かしく思い出しています。

2012年2月15日(水) 袋

披露宴の挨拶で「人生で大切にするべき3つの袋」なる言葉を聞いたことのある方も多いと思います。
定番中の定番、有名なフレーズです。
3つの袋の候補には「給料袋、胃袋、おふくろ、堪忍袋、防災袋」などがあるそうで、これらの中からふさわしい3つの大切にするべき袋を選んで挨拶される場合が多いようです。

子どもたちにとって大切なのは、ポチ袋。
乗り物酔いをする人にとって大切なのはポリ袋。
箱根駅伝で大切なのは復路。

今日、教室の2階の片付けをしていて、その時には大切だと思っていたであろういろいろな袋が出てきましたが、大切さを思い出そうと思っても思い出せない袋もいくつかありました。

その中の一つ。
黒いゴミ袋の中に、十片ほどのかなり小さくなった発泡スチロールが入っていました。
一体何のために大切に保管してあったのでしょうか。

教材を発送する時、すき間に詰めるための緩衝材として準備しておいたものなのか、あるいはクリスマス会などのイベント用に使うものなのか、または学習塾をしていた時の実験材料として置いておいたものなのか。
かなりホコリを被っていましたから、ずいぶん長い間置き去りになっていたものだと思います。

他のものを片付けながらこの黒い袋の意味をしばらく考えていました。

その時突然電話の呼び出し音が…。

その音に背中を押されるようにして突然行き着いた結論は、ゴミ袋に入っているのだから、捨てるのを忘れたゴミだ、というものでした。

なあんだ、という結論です。当たり前すぎるほどの結論で、申し訳ないくらいです。

私たちは時として、小難しいことを考えたり理屈をこねくり回して堂々巡りになったりして埒があかなくなることがあります。そんなとき、シンプルに考えることでパッと見通しがきく場合があることを言いたくてこの例を引き合いに書いてみました。

茶封筒に紙袋、お菓子の包みからクッキー缶、コピー用紙の箱など、私はなぜだかこういったものをスパッと処分する勇気がなくて、「いつか何かの役に立つのでは」と溜め込んでおく癖があります。この癖が、シンプルな思考の邪魔をしていたのです。黒い袋を残しておいたのには何か意味があるのに違いない、と。

生徒の集中力が続かない原因を探る時、生徒の席に座って黒板を見つめることで答が見つかることがあります。
理屈をあれこれ考える前に、座って眺めてみると、黒板の上に時計があったり「集中力」と書かれた紙が貼ってあるのが目に入ったり…。
黒板を背にするだけでは、こんなシンプルなことにも気がつかないまま日々を過ごしてしまいます。

2012年2月14日(火) 読売ファミリー

読売新聞に毎週水曜日折り込みされる情報誌「読売ファミリー」に『元気キッズ』というコーナーがあります。
どの地域に配布される分に掲載されるのかはよくわかりませんが、3月初旬配布の号でうちの子どもたちが「そろばん」というテーマで取り上げられることになりました。

昨日女性記者さんが来塾。記者さんはそろばんの経験が全くないとのことで、段位の暗算問題を見てビックリ。計算する様子を見てさらにビックリ。
なぜそんなことができるのか、という素朴な疑問を持たれた記者さん。出てきた質問が、「頭の中には何があるの? 電卓? エクセル?」

長い間いろいろなところで話しもし、質問も聞いてきた私ですが、珠算式暗算に関する質問で「エクセル?」は初めてでした。これも時代ですね。

ちなみに我が家は読売新聞と読売のこども新聞を購読しています。引っ越しして最初に来られたのが読売新聞だったというだけの理由で配達して頂いていますが、トラキチの子どもたちは不満のようです。

それでもスポーツ欄だけは食い入るように見ています。気分はまるで先乗りスコアラー。「敵情視察」なのでしょうか。

話は変わります。

ユース大会の練習問題のご注文が入りました。初めて参加される先生です。面識はありませんが、ご住所を見るとそれほど遠くの先生ではありませんので、明日直接問題を持っていってお渡しすることになりました。
ついでに大会ご参加のお申し込みに関して昨年の状況もお伝えするつもりです。昨年は受け付け開始から間もなく締め切りとなってしまいました。通常の大会とは全く様相の異なる受け付けになってしまう可能性のあることを特に初めての先生にはお伝えできる範囲でお知らせしようと思っています。

今年もユース大会の受け付けはお電話のみとなります。

皆さんから頂くお電話は私がとりますが、たった一言であっても直接お声をやりとりしておくだけで、大会当日の運営がスムーズにいくような気がするのです。

言葉は人を活かします。

言葉に人は生かされます。

2012年2月13日(月) おっちゃん

昨日の検定試験会場での話です。
試験は午前10時からと11時20分からの2回転。合計で400名ほどが受験したでしょうか。

10時からの試験が終わり、11時20分開始の受験生との入れ替え時、会場前の広場は保護者や受験生でごった返していました。

中学生1名に受験票をまだ渡していなかった私はその生徒を探すために広場にいたところ、「おっちゃん」と呼ぶ声が聞こえました。声のほうを振り返ると、数名の小学6年生くらいの男の子たちが、私のほうを見てニヤニヤしながら、またまた「おっちゃん」と呼んでいます。
1回目の試験で私は試験監督をしていました。彼らはその会場にいた受験生かもしれません。
または、つい先日のテレビ番組を見た人たちなのかもしれません。
とにかくどこかで何らかの面識があるのでしょう。
全く見ず知らずの中年男性を見かけると「おっちゃん」と呼んでしまう習癖などはないでしょうから、何らかの意図を持って私のことを「おっちゃん」と言っているわけです。

「おっちゃん」ではないかといえば、私は紛れもなく「おっちゃん」です。
テイクアウトのお好み焼き屋さんで、お好み焼きを作っている女の子から生まれて初めてきっちりはっきり「おっちゃん」と呼ばれた時、私は自分のことを言われているとは思わずに、思わず私の後ろに本物のおっちゃんがいるものだと思って振り返りました。
誰もいなくて仕方なく前を向くと、女の子がニコニコしながら私に「おっちゃんのことやん」と指さしていたのが十年ほど前のこと。それから加速度的におっちゃん化しているのですから、昨日も今日もおっちゃんに違いありません。

でも、呼ぶほうは時と場所と必然性を考えなくてはなりません。
私にはそろばんの試験会場で見ず知らずの受験生に「おっちゃん」呼ばわりされるいわれはありません。

「君たちか、呼んだのは。」
「……。」
「時と場所を考えて言葉を使いなさい。君たちの先生や親が恥をかくことになる。」
「うん。」
「わかったか!」
「ハイっ!」

注意すべきか否かを考える前に言葉が口から出てきてしまっていました。はじめはどうして叱られているのかわからなかった様子でしたが、周囲の何人もが立ち止まって見ていましたからきっとかなりきつい口調で怖い顔をしていたことでしょう。やがて、中心格とおぼしき男の子の顔色が変わってきました。

叱った後も、はたして妥当な対応だったのかどうかと、この出来事がしばらく頭から離れませんでした。
が、では叱らなかったらあの少年たちはどこで学習をするのだろうかと考えると、一言注意しておいて良かったのだと勝手に思っています。

やはり、この欄にいつぞや書いた「ゴリラのおっさん」化は、もうすぐそこまで、いや、もう、どっぷり、なのでしょうか。

2012年2月11日(土・祝) 検定前日

今日は祝日のため通常授業はありませんでした。
もともと土曜日は学校が休みのところが多いため、祝日の意識がない生徒もたくさんいたようで、午前8時30分の通常授業開始時間には、かなりの数の生徒が教室が開くのを待っていたようです。
「先生、遅刻!」と日頃のお返しに小言の一つも言おうと今か今かと待っていた生徒の皆さん、どこに怒りをぶつけて良いかわからないかもしれませんが、人生にはこういったことがたびたび起こるものです。いちいち目くじらを立てていてはいけません。

午後3時から7時まで、明日の1〜3級珠算検定と段位検定に向けて特別練習を行いました。自由参加です。何時間練習してもよく、途中の出入りも自由です。
参加者は68名。4時間ぶっ通しで練習した人が30人ほどいて、そのうち段位練習生が20名程度でした。

1〜3級は、3時・4時・5時・6時から試験と同様にそれぞれ30分間計時しました。総合練習4回と間違い直し4回分です。終わってからもさらに問題を持って帰る人もいました。
段位は3時からと4時30分から2回分総合練習をしました。その後は、各自が希望する問題を次々にプリントアウトしたり在庫から引っ張り出したりして渡していきました。

試験前日の練習。よほどのことがない限り細かいことはとやかく言わずに、生徒の希望により添うのが私の仕事です。
何をすべきなのかは皆が知っています。それぞれが目的に向かって無駄口一つ叩かず、自分で課題解決のために努力するこの試験前日の特別練習のために本番の試験があると本末転倒の錯覚に陥ってしまうほど、何とも言えない「良い緊張感と雰囲気」が前日の特別練習なのです。

2012年2月10日(金) 計り方

昨日資料ページに掲載した「日商検定対策プログラム2級」は、桁数を日商検定に合わせて作成したことからネーミングしたものですが、日商検定にかかわらず普段の練習にももちろん使えます。

この問題はみとり算を通常の問題より難しくしてあるのが特徴です。1番が11口、2番が12口というように1口ずつ数字を増やしていき、5題合計で15口分多くしてありますから、標準の制限時間は6分30秒ということになります。
このみとり算を5分で計時すると、4題できれば標準です、5分で5題全部できると1級を超えます。

5分で3種目計ると、当然みとり算が難しくなります。そこでかけ算・わり算で余った時間をみとり算にまわすことのできる制度、すなわちかけ算が4分30秒、わり算が4分40秒でできたとすれば、かけ算5分に対して余った30秒、わり算5分に対して余った20秒の合計50秒をみとり算の時に余分に計ります。3種目を一括して計時してもみとり算に余った時間をまわすという意味においては同様の方法になるわけですが、1種目に対する目的意識が一括計時と種目ごとの計時ではずいぶん変わってきますので、1種目ごとの計時にします。

また1種目ごとに計時をすると、次のようなおもしろい方法で練習ができます。

5人で練習すると仮定して…。
かけ算とわり算で余った合計秒数を持ち時間とし、持ち時間が最大の生徒に合わせてタイマーをセットします。最大の生徒Aは50秒、Bが40秒、Cが30秒、Dが10秒、Eはわり算が全問できなかったために持ち時間0秒だとすると、みとり算の計時は5分50秒となります。
まずAだけが計算を始めます。10秒後にBがスタート、その10秒後にCがスタート、その20秒後にDがスタート、10秒後に最後のEがスタートし、終了時間を合わせます。

開始前に、「おあずけ」をさせられている生徒に指示を与えます。『先に始めるAの指先・手首の動き・リズム・指が止まっていないか・目線の動き、……をよく見て良いところはまねをするように』。
Aはすべての指示をこなしてやろうという自意識過剰状態の中で猛烈な緊張感とわずかばかりの優越感とのバランスをとることに四苦八苦します。Bの計算が始まった直後には、CDEにもう一度同じ指示をすることで、今度はBがAと同じ目にあい、やがてはCもDも緊張の渦に入り込みます。

4人がもがいている頃に一人残ったEに言います。
「他人に良いところを見せようと思っても大抵は失敗をします。どんな状況でも自分のペースでやりきること。これが上達への最短距離です」

ABCDは横で倒れます。

2012年2月 9日(木) 2級問題ダウンロード

1999年の教室開設直前から手がけた教材が、初歩教材の「PERFECT」。(←見本が開きます)
ある講習会で配布する資料として思いつき、ジャストシステムのワープロソフト「一太郎」で作り始めました。
なぜ一太郎だったかというと、当時のワードには文字と文字の間隔を詰める機能が無く、(あるいは見つけられなかっただけかもしれませんが)、そろばんの問題として使うには文字の間隔が開きすぎてしまうからでした。その点、一太郎では行間・文字間ともきめ細かく設定でき、表計算ソフトを使うにはパソコンに不慣れすぎていたこと(ワープロ専用機に慣れすぎていたこと)もあって、そろばんの図から問題まで、何から何まで一太郎で作ったのです。
200ページほど作ったところで、教室開設。13人の新入生を相手に、教材を使い始めました。その後、生徒の進み具合に応じて、毎日毎日少しずつ作り足していきました。「もう少しこのパターンが必要かな」「このパターンは、もうこれで十分か」と、その日の生徒の理解度や間違え方を勘案して作ること合計470枚。構想としてはまだ続きがあったのですが、一番進んでいたグループが商工会議所検定3級を受検するようになり、初歩教材の作成は一応終わりとしました。

余談ですが、先の講習会終了後、ある先生から「配付された資料を印刷して教室で使っても良いか」というお問い合わせを頂きました。もちろん良いのですが、それならば私の教室の分も印刷して製本していただけないものかと逆提案。色々考えた結果、いっそのこと、正式な本として広くお使いいただけるようになったほうが良いだろうということでサンライズ誌から発行していただくことになり、問題集名が「PERFECT」に決定。今に至っています。

さて、PERFECTの作成が一段落したということはすなわちその先を必要とする生徒が出てきたということなのですが、今までそのときどきに使用する生徒数や実力に合わせてさまざまな問題を作ってきています。できあがると星の郷教室で使用し、講習会で配り、その後本格的にサンライズから発行という形式で問題集になったものもたくさんありますが、検定内容の変更や新問題の発行によって絶版するものが出てきました。

その一つが、「日商検定対策プログラム2級」。すべて整数問題で速度をつけるために作成したものですが、2年ほど前に検定の全パターンを収録しつつも題数を半分に減らした「合格一直線」シリーズが完成したのを機に増刷を終了していました。このたび在庫が無くなったため、販売も終了となります。
その代わり、印刷原稿を自由にダウンロードしていただけるよう、当ホームページの「資料」ページに掲載しておきますので、どなたでもご利用下さい。

検定直前には不向きですが、それ以外の時期の弾き込み練習には十分使えると思います。また、問題集の付録としてありました『補数計算』と『小数計算の復習問題』も末尾につけておりますので、あわせてご利用下さい。

2012年2月 8日(水) イヤリング

趣味は?と聞かれれば、あまり人に言えるようなものではありませんが、「自転車の鍵締め」と答えるようにしています。
鍵も締めずに停めてある自転車の鍵を片っ端から締めていくのです。

手当たり次第に締めていきますが、もちろん駅の駐輪場などでやっているわけではありません。教室前に停めてある生徒の自転車に限ってです。

以前、まさにその最中、通りかかったパトカーのドライバーと目が合ったことがあります。お互い、言葉を交わすわけでもなく、数秒間見つめ合った後、どちらからともなくニヤッと笑ってやり過ごしましたが、決して怪しいものではございませんと言い訳しようにも、どう見ても怪しかっただろうに、なぜなにも尋ねられなかったのか不思議です。

さてさて、つい十日ほど前、忙しくてうっかり鍵の点検に行かなかったところ、やられてしまいました。生徒の自転車2台分の鍵を何者かに抜かれてしまったのです。鍵は見つからず、一人は前輪を抱えたまま自転車を引きずって帰り、一人は車で取りに来てもらっていました。
生徒はいたずらされたことへの怒りに震え、私は趣味を横取りされたことに憤りを感じるという具合にそれぞれの思いに多少の違いはあるものの、ともに悔しくて歯がみをしたものです。

今日、授業開始の2分ほど前に点検に行くと、またもや無施錠の自転車2台を発見しました。どちらも可愛らしいキーホルダー付きです。早速抜き取って教室に入った私は、2つの鍵をイヤリングのように耳につけられないものかと試行錯誤を繰り返しているうちに持ち主に見つかってしまいました。

何とそのうちの一人はこの前いたずらされたばかりの中学1年生男子です。「くやしさがまだ喉元を過ぎていないはずなのに」と思うのは、ちょうど1週間前にこのコーナーに書いた「ついこの前っていつのこと」を再び持ち出すまでもなく私たち大人の時間感覚だと言われてしまうのがオチかもしれませんが、それでもあまりにも注意不足だと言わせてもらいましょう。

もう一人は、なぜか自転車を押しながら来た小学生でした。乗らずに押してきた理由を聞くと「くたびれたから」。自転車は歩くのがくたびれるから、あるいは時間短縮のために乗るものではなかったのでしょうか。
押してきたのもくたびれたようで鍵を締め忘れてそのまま教室インしたのでした。

2012年2月 7日(火) 塾報

今月号の塾報で、ちょっとした嘘についての話を書きました。
嫌いな食べ物をわざと落としたことがある人、遊園地で年齢をごまかしたことのある人など、授業中に尋ねた話を載せたのですが、保護者の方からいくつか反響がありました。

実は生徒たちからも「親の嘘」についていろいろな話があったのですが、そんな折ふと思い出したのが、数年前の合宿、帰りのバスでの会話でした。
小学4年生の仲良し男子5名ほどと、保護者の年齢の話になりました。結構それらしき年齢の話をしていた中で、ある生徒が「うちのお母さんは22歳や」と口走ったのです。
直後から始まった周囲の罵声と怒号が渦巻くなか、「うちの親に限って嘘をつくはずがない」と必死になって抵抗する彼でしたが、母親の年齢から自分の年齢を引いてみて、ようやくお母様の冗談に気づいたようです。

今度は、小学4年生になってもそんな冗談に気づかなかった彼自身に非難が集中。素直すぎた彼は今まで嘘をついていた母親に怒りの矛先を向けましたが、さらにそんなことで怒るほどのことかとまたまた周囲に諭され、気持ちの持って行き場のない彼は意気消沈していました。

せめて28歳くらいにしておけばバスの中は平穏無事だったのです。どうかご冗談もほどほどに……

2012年2月 6日(月) 急がば回れ

半年ほど前に入会してきた小学1年生の男子生徒。さんすうが苦手で、というのがお母様が語られた入会の動機でした。
入会直後から毎日のように練習に来たこともあり、さんすうが苦手という雰囲気はあまりなかったのですが、いくつかのパターンが混合して出てくる引き算になると、間違いが続出するようになりました。
すべての問題で説明を受けなければ正解にたどりつけません。運珠をパターン化して覚えることができず、毎回毎回新しいこととして頭に入れようとするために記憶量が膨大になるような感じでした。

何日か我慢して続けたのですが、なかなからちがあきません。表情からも元気さが少しずつ消えていくようで、おそるおそる採点にやってくるようになり、足どりも重くなっていきました。
数日後、お母様とも相談の上、先に進むよりも一端戻って自信を持って自分でできるところから再スタートを切ったほうが結果的に早く進めるだろうということで、テキストをやり直すことにしました。

テキストを戻すという宣言は、下されるほうも下すほうも良い気分ではありません。
もっと別の教え方があったのではないかという後悔や、戻す判断が果たして正しいのだろうかという疑念が全くないかといえば嘘になります。でもこんな思いは戻されるほうに比べればたいしたことではありません。
生徒には私が感じる後悔・疑念の何倍もの悔しさと悲しさがあることでしょう。ページをコツコツと進むことが唯一無二の楽しみだったはずなのに、一気に暗転してしまうのです。私に訴えかけるだけの言葉をもたない年齢ですから、いわれるがまま、というのも悲しすぎます。

今日、そんな彼がテキストを晴れて卒業し、かけ算に入る前のJ1練習に入りました。J1練習はこのコーナーでもずいぶん前に触れたことがありますが、速度と暗算力の養成に欠かせない練習メニューとなっています。

最初はどうやってやれば良いかもあまりわからないまま参加するので誰でもたいてい面食らうものなのですが、一度テキストを戻るという悲哀を味わった彼は悲哀の中からたくましさを身につけたようで、面食らうどころかなんとデビュー戦で優勝したのでした。

迎えに来たお父様との会話です。私はほとんど初対面です。

「先生、この前のテレビ見ましたよ」(3日放送の所ジョージさんの番組)
「そうですか。私はまだ見ていないのです」

テレビの話をそれ以上引っ張りたくなかった私は、
「今日、○○くん、優勝しましたよ」
と話題を変えました。
「ホンマですか。誉めてやりますわ。でも、三日たつと忘れてしまいますネン」

「では、二日後に連れてきて下さい」

「わかりました。忘れる前に連れてきます」

こんな会話をして別れましたが、いかにも大阪というようなやりとりで私の気持ちもほっこりしました。

それは、テキストを戻したという重い気持ちからすこしだけ解放された瞬間でもありました。

2012年2月 5日(日) 1ミリの差

昨日の特別練習。段位受験生が実力別に座り、練習を始めました。
6段以上、3〜5段、2段以下の3グループに分かれてのかけ算練習。今まで何となく気にはなっていたものの具体的にハッキリとしなかったことがようやく判明しました。

段位の違いは、指の動く速さや間の詰め方、字を書く速さ、無駄な動きの多寡によって決まりますが、それらに加えて「指の動く距離」に違いがあったのです。

3に6を足すとき、高段者の指は、忠実に6の分量だけ開いています。全体的には猛烈な速さで動いているのですが、一つずつの動きに寸分の差もなく同じ分量が開いています。その分量が、段位が下がるにつれて少しずつ大きくなる傾向があるのです。初段の生徒に3に6を加えるまさにその瞬間で指をストップさせたところ、高段者よりもわずかに大きく開いていることに本人も周囲も気づき、一同、大納得。

指が速い割に計算題数が伸びないのは、指の動かし方に問題があり、「小さく優しく動かしなさい」「音が鳴らないように動かしなさい」といった指示がなされてきたわけですが、今後は「指先を1ミリだけ小さく動かす」という指示に変わりそうです。

でも、この1ミリ。小さいようで結構長い距離なんですね。

2012年2月 4日(土) お節介

朝の授業が終わり昼前に帰宅。小休止の後、午後から夕刻にかけての特別練習のために自宅玄関を出ると、1〜2キロほど前方、小高い丘の向こうの上空に黒い雲が立ち上っています。雪雲にしては範囲が狭く、地面ともつながっているようです。
黒っぽい気体の塊の動く速さから雲ではなく煙だと気付くと同時に猛烈な不安が襲ってきました。
煙はここ2年ほどの間に新築住宅が次々に建った地域の方角に幅50メートルほどの拡がりをもって猛烈な勢いで立ち上っているのですが、その新興住宅地には昨年家を新築された知り合いのそろばんの先生のご自宅があるのです。
直接行って場所を確かめようにも、道路は渋滞で進めません。私の教室とは逆方向なこともあり、とりあえず電話をかけて無事を確かめようとしました。
呼び出すこと数秒。元気で何事もなかったかのような声が聞こえました。

自宅から数キロ離れた教室で授業中だったようです。「無事? 自宅の近くで火事じゃないかな。黒い煙がモクモクと見えるけれど近づけない。何か連絡は入っている?」といったようなことを話したと思います。
その電話をそばで聞いていた生徒さんの、先生の不安に追い打ちをかけるような「マクドナルドの近くで消防車を見た」との声が…。マクドナルドは先生のご自宅と同じ町内にあります。

「連絡が無いのならたぶん大丈夫でしょう」と根拠に乏しい励ましの言葉を最後に私は電話を切りましたが、教室を空けて確認に行くこともできない先生はどんなに落ち着かない時間を過ごしたことでしょうか。

数時間後、電話がかかってきました。ご自宅は無事だったこと、連絡をもらってありがたかったこと、それともう一つ、このアラカルトに数日前に書きました西日本大会の申し込み状況を見てギリギリ申し込みに間に合ったことのお礼を言ってもらいました。

電話をかけて不安な気持ちに火をつけてしまったかとちょっとだけ悔やみましたが、こんな場合、連絡するのが良いのか、それともしないのが良いのか、判断に悩むところです。

2012年2月 3日(金) 刺激

そろばん教材を取り扱う老舗の(株)朝日プリント社には、珠算塾に必要なものなら何でもそろっていますが、その中でも異彩を放っているのが「暗算力開発システム」というパソコンソフトです。
「暗算力開発システム」は、文字通り珠算式暗算能力を伸ばしていくために必要なさまざまなソフトが集まった総体で、フラッシュ暗算をはじめ、珠の動かし方や読上暗算、英語読上算など、そのものずばりのソフトから、チーム作成ソフトやビンゴゲームなど、教室の各シーンで使えるお助けソフトまで盛りだくさんの内容が入っています。
その一つ「タイマー」は一つの画面にカウントダウンとカウントアップの2つが同時に表示され、あらかじめセットしておくと、15秒間隔で5分間3種目計時、といったことができます。
経過時間を決まった秒数ごとに読み上げてくれる機能もあり、例えばかけ算1問だけを30秒計時する時に、「5秒・10秒・15秒・20秒・25秒・ヤメ!」と、ソフトを作成された先生の声でアナウンスしてくれます。

作者の先生に以前お目にかかった折、秒数だけでなく段位を読み上げてくれるように機能を追加していただけないものだろうかとお願いしたことがあります。
例えば日本珠算連盟の段位認定試験問題。60題全てが同程度の難易度のため、1題を何秒で計算できるかによって段位が決まります。
具体的には1題30秒だと初段、25秒だと2段、20秒で3段、15秒で6段、12秒で8段、10秒で10段に相当する時間となるわけです。
「タイマー」ソフトで30秒をセットしスタートします。10秒後に、「10秒」ではなく「10段」、「15秒」ではなく「6段」、「20秒」で「3段」、以下「2段・初段・爆弾(ドッカーン)」とアナウンスしてもらうのです。秒数ではなく経過時間に合わせて段位を告げてもらうだけのことなのですが、そうすることで、段位という目標がよりリアリティをもつのではないだろうかという気がするのです。
問題によっては1級合格後間もない生徒が「3段」の速度でできる場合もあり、良い意味で「錯覚」、あるいは自己催眠にかかって、あわよくば催眠状態のままで一気に上達、ということもあり得るわけです。

段位試験が目前に迫ってきました。今までは、自分の速度でしっかりと正解をする「合わせる練習」に重点を置いてきましたが、昨日からは時間を全員で計って「慌てる練習」にギアを変えました。本番では、慌てずにする方が無理な相談ですから、練習から慌ててもらいます。より慌てるために、1種目終了のたびに全員に計算題数を言ってもらっていますが、計算題数のかわりに全問正答した場合の段位を言ってもいいことにしています。段位試験ですから、題数や計算時間よりも「段位」の方に敏感に反応する生徒もいるのではないかという考えからです。

ライバルや目標とする人の計算題数や段位を知ることで、ちょっとした悔しさやわずかばかりの成就感を覚えたり、尊敬したりしながら心の成長の栄養素を増やしていきます。
心のヒダを増やす場としても珠算教室を大いに活用して下さい。

2012年2月 2日(木) 一に確認、二に確認、三四も確認、五も確認

3桁ごとにうつコンマと、一の位を表す小数点。おもしろいように反対に書く生徒がいます。
初めてコンマを習うまでに何百回何千回とコンマを目にしているはずなのですが、「out of 眼中」だったのだろうと思います。

印象づけるために、「コンマと小数点はカタカナの『ハ』のように書きます。まっすぐに打つとどちらも区別がつかないからコンマではなく『オカマ』になります」と言ったりすると、オカマだけが頭の中に残ってしまって逆効果になったりもします。

今日は新たな勘違いを発見しました。コンマも小数点も同じ形で、カタカナの「ノ」と書いているのですが、目を凝らしてみると、小数点は左下から右上に書き、コンマは右上から左下に下ろしています。書く方向を変えてコンマと小数点を区別しているわけですが、筆で書くわけでなく、どう見ても同じ形です。

誰がそんなことを教えたのでしょう。

誰も教えてなどいません。どこかで勘違いしたとしか思えませんが、何をどう勘違いしたらそう思い込むことができるのでしょうか。人の思考は不思議です。

当教室で作成している「瞬達」(月刊珠算情報誌『サンライズ』扱い)には、
210×5、201×5、304×2、340×2などの問題ばかり15題をまとめて練習する箇所があります。足し場所を間違えてしまうと同じ答になってしまうような問題ですが、15題中、1問題でも間違えると、正解した問題も含めて全部消しゴムで消してやり直しをさせています。やり直しでは、5題計算したら採点、すべて正答なら次の5題に進み、そこで間違えるとまたまた最初からすべて消してしまいます。15題を3つにわけて進んでいくわけですが、最後まで到達したら再度復習のためにすべて消し、最初から15題分を一気に計算させます。

なぜ、こんなにも同じことを繰り返すかと言えば、わからないことを間違えるのは仕方がありませんが、「わかっていることを不注意で間違えてしまうことを徹底的に防ぐ意識を植え付ける」のが目的だからです。

間違えては直し、直すだけでなく、どこをどう間違えたのか、なぜそんな間違いをしてしまったのかを生徒自身が十分確認して再度チャレンジしてみてもまた間違えてしまい、再び消しゴムのお世話になり……という生徒がいつも何人かいます。
やり方はすべて理解しています。その証拠に15題中14題は正解しているわけですから、山勘で計算しているとすればとんでもない確率になるのです。

したがってこれは、「きちんとやろう」という意識を15題分持ち続ける練習にほかなりません。そろばんを習うと集中力が付くと言われるのは、こういった練習の積み重ねにもよります。

ところで、説明を「その気」になって聞くと一度で理解し覚えられるものを、その気にならずに聞くことで蟻地獄に陥ってしまう人が何と多いかということは、学習塾をしていた頃から痛感しています。
生徒を「その気」にさせる指導力・雰囲気・気迫に、ちょっとしたユーモアやオアシスが加えられれば、鬼に金棒なのですが…。

明日は節分。鬼に金棒どころか、鬼に豆粒の日です。

鬼の面よりも恐ろしい顔で豆を投げつける人もいたりして………。

2012年2月 1日(水) 6×5=35

一月は行く、2月は逃げる、三月は去る…。

昔の人はうまい言葉を作ったものです。

今年も残すところ11か月となりました。うかうかしていると2月・3月はあっという間に過ぎ去り、新学期を迎えたと思ったら熱中症に注意。運動会が過ぎると、こたつに入って年賀状の準備をしなければなりません。

こう書くと一年がたった2行程度で済んでしまいますが、でも、心境としてはこんな感じで、時間が暴力的に飛び去って行きます。
1か月前のちょうど今の時間は紅白歌合戦のクライマックスで、久しぶりの紅組勝利に我が家の小学生女性陣が大喜びをしていたのです。それがなんやかんやとうじゃうじゃしている間にもう1か月経ってしまっています。何か色々としていた1か月だったような気もしますが、何もしていない1か月だったような気もします。皆さんはどうでしょうか。

ある年齢を境に、時間の進む速さの受け止め方が変わります。「ついこの前っていつのこと?」と生徒に尋ねたところ、生徒たちの答は最長でも1週間でした。それに比べれば私なんぞ、ここに書くのがはばかられるほど遙か前のことでも、少しのためらいも恥じらいもなく、「ついこの前」と言っています。

さて、生徒にとってのごく最近、すなわちここ1週間くらいですが、ある生徒がかけ算で「6×5=35」とやってしまう間違いが改善されません。口にするとかけ算九九を正しく言えるのですが、問題の中に6×5を使う箇所が出てくると、ことごとく「6×5=35」なのです。
別の生徒。わり算でしょっちゅう質問に来ます。見てみると、引き算が間違っています。14−9が8になるのです。10を引いて1を足すときの計算、4+1を間違えてしまっているのです。
4+1を計算させても、頭では5とわかっていながらそろばんの珠は8になります。そこで、4+1が8となっている隣の桁で4+4を計算させると、おかしいな、という思いが伝わっている様子がありありの指先で8と計算し、ハタと膝を打ちます。この瞬間を見逃さず、再度4+1を計算させて5になるのを確認させて席に戻します。

ところで、これにて一件落着と見得を切りたいところですが、なかなかそうはうまくいかないのがおもしろいところで、またまた何食わぬ顔で「何回計算しても同じ答になります」とやってきます。もうこうなったら根比べです。

6×5の生徒も4+1の生徒も、意識させるために事前に赤ペンで該当箇所を囲んで取り組ませることもありますが、それでも3回に1回は同じ間違いを繰り返してしまいます。

1回2回3回と同じ間違いを繰り返すことは誰にでも起こり得ます。しかしこのことを教訓として誰もが4回目5回目の間違いを防ぐように気持ちが向くかといえばそうではないようです。一人ひとり顔が違うように、集中力も注意力もみんな違います。
しかし、だからといって諦めるわけにはいきません。
間違いを繰り返すうちにやがては陥りやすい間違いを事前に察知するようになり、慎重に危険を回避する意識と技術を備えようという気持ちを全生徒に芽生えさせるにはどうすればいいかというのが、目下のところ頭から少しも離れない課題です。
うかうかしていると、あっという間に巳年になりそうですからなるべく早く解決したいと思っています。解決の早道は生徒自身が示してくれるはずなのですが、そのヒントを見逃さないアンテナの精度を上げるために、今夜はもう寝ます。
おやすみなさい。

2012年1月31日(火) 特別練習

2月の教室予定を作成致しました。1月号の塾報で入れ忘れていた日程も掲載しておりますので、生徒の皆さんは予定のページを見ておいて下さい。大会に出場しない生徒やご家庭の皆さんも是非ご覧下さい。やがて通る道です。

塾報未掲載分は火・木曜日の大会出場者向けの読上種目特別練習と、土曜日の特別練習の日程です。

通常授業ではしづらい練習や不十分なところを補うのが特別練習です。2月の検定に向けての特別練習がすでに始まっていますが、同じ不得意種目を持つ生徒たちでチームを作って対抗戦をしたり、高得点が出るまで同じ問題をやり続けたりといった練習を行っています。
特別練習の出席は自由、練習時間も自由です。自由というのは、自由なようで実は不自由でやっかいなものです。すべて自分で決めなければならないのですから、主体的に参加していない人には「自由にしていい」と言われるほど困難なものはないようです。
でも、目的意識を明確にした人間にとっての自由は、自分磨きの有効な機会となります。そういった意味においても時間の許す人には是非特別練習を活用して欲しいと思います。

なお、2月と3月の土曜日に行う近畿珠算競技大会決勝大会出場者向けの特別練習は、星の郷教室の生徒だけでなく、そして大阪代表の他の教室の選手だけでもなく、広く近畿一円の代表選手なら誰でも参加して頂いて結構です。連絡も不要です。いきなり教室に来て、何食わぬ顔で座っていて下さい。大歓迎致します。

2012年1月30日(月) 近畿大会予選

昨日の近畿大会大阪府予選は、史上最高の狭き門になりました。
小学5・6年生の部の予選通過ラインは、750点満点中740点。740点は少し前なら個人優勝すら狙える得点です。昨年の通過ラインは725点でしたから、大幅なアップです。得点では15点差ですが、失点が10点以内しか許されなかった今年と、25点失点できた昨年とでは雲泥の開きがあります。

中学生の部の予選通過ラインは730点で、昨年は715点でしたから、これも15点アップです。

小学4年生以下の代表選手の得点は、750・745・740・740・735・725・720・695で、合計5850点。昨年は750・750・740・735・720・715・705・700で合計5815点。平均点での5点アップは、かけ算・わり算のどちらか1題分です。

来年は、今年の得点が目安となりますので、さらなるレベルアップが見込まれ、もっと狭き門になっていくのでしょう。

「予選を通過する」という価値を考える時、レベルが高ければ高いほど価値は高まりますが、一方で、予選通過の門戸を広げることで価値の共有範囲が拡がり、全体のパイを大きくすることにつながります。

価値を維持しつつパイを拡げるべく知恵を絞り、絞るだけでなく実行に移すことが必要になってきているのではないでしょうか。

2012年1月28日(土) 楽しいよ

できてしまえば何でもないことが、できるまではとても苦労することがあります。

そろばんの習い始めで言うと、例えば「足せなくなってしまった4」。
そろばん面にすでに5以外の数があって、単純に一珠を4つ足せないパターンです。

そろばん面にすでに6〜9がある時と1〜4がある時とで新たに4を足す時の珠の動かし方は違いますが、理解するのに少々時間がかかる生徒には、この見分け方が難しいのです。
さらに、足せないのは4だけではありません。1〜9のすべての数字の加減において、一珠が4つ、五珠が一つしかないそろばんの性質上、常に5と10に対する補数を意識しながら珠を動かさなければなりません。例えば2を足せなくなったら「2と3で5」「2と8で10」の2つを意識して、かつ無意識に珠の操作を行っていくのです。「2つを意識して、かつ無意識に」というのは矛盾しているようですが、補数を意識しているようで意識している時間がなく、かといって全く無意識とまではいかないわずかな意識で珠を操作するのがそろばんの練習に他なりませんから、こんな表現になってしまいます。

理解が困難な生徒は、ある決まった法則性をパターンとして認識できず、習ったことを類型化するのが苦手なため、記憶しなければならない分量が多くなる傾向があります。したがって、あのときこうだったから、今度もこうすればいいのではないだろうか、という類推や、類推を確かめる冒険の経験が少なくなる傾向にもつながっています。

五珠を使う、足せない2。3+2や4+2のパターンですが、足せない4と足せない3を学習してきている先のような生徒に「444+432」をさせてみて、類推する経験を積んでもらうことがあります。
生徒はそろばんに444を置きます。400を足し、30を足したところで、数秒考え、おそるおそる2を正しく足した時、「お見事!」と私はこたえます。
生徒の頭に、あるパターンがしっかりと根付く瞬間に立ち会えた幸運を感じるとともに、教えすぎなくて良かったとホッと胸をなで下ろすのです。

「10に繰り上がったり5を使ったりといろいろな足し方が出てくるよ。間違わないようにね」
と一言アドバイスをして生徒を自席に戻したいところですが、「間違わないようにね」と言うかわりに、「いろいろな足し方が出てきて楽しいよ」と送り出してあげるのも有効かと思います。

実はこれ、「足せない」という困難にあたった時、乗り越えるための道具(武器)を今まで習った知識の入った道具箱(武器庫)から選択するのは楽しい作業なのだと、生徒に意識づける言葉なのです。

意味もなくホームセンターをウロウロするのが好きな男性は多いものです。確かなデータも調査したこともありませんが、絶対そうなのです。ホームセンターは建物全体が道具箱みたいなもので、あれとこれとをくっつけたり離したり、ちぎったり切ったりする想像を働かせる道具や材料が豊富にそろっています。探すだけでも楽しいのに、実際に形になったりすれば家族に何といわれようと一瞬だけは至福の時が味わえます。

至福の時を生徒にも是非たくさん味わってもらいたいものです。

2012年1月27日(金) ご返信 御礼

昨日書きました「否定のエネルギー」。

私なら髪を切ってもらったあと、もう少し切って下さいと言えますよ、というメールを頂きました。

主な用件をお書きになりながら、さりげなくこのアラカルトのご感想をも書いて下さっていました。

アラカルトは対話形式をとっていません。一方的な考えを書き連ねているだけです。ご意見を頂きましても、ご返信が確約できないので、そうしています。
読んで頂いている方を明確に意識していないことが内容を固定化せずに書けることにつながっていますが、逆に論点がぼやけてしまうということにもなっています。

でもそもそもが、何でもありということから名付けた「アラカルト」。何が出てくるかは自分でもわかりませんが、お時間がありましたらおつきあい下さい。

今年の年賀状でも何通かがこのコーナーについてご感想を書いて下さっていました。
ありがたいことです。

2012年1月26日(木) 否定のエネルギー

髪を切ってもらったあと、理容師さんが「こんな感じでいいですか」と鏡を持って後頭部の様子を見せてくれます。ここで、「もうちょっと短く切って下さい」と言えますか。

髪を切ったあとの洗髪時、「かゆいところがあれば言って下さい」と言われて、「ここ」と言えますか。

宴会で、乾杯前に「とりあえずビールでいいですか」と尋ねる幹事に「焼酎のお湯割を下さい」と言えますか。

結婚披露宴のコース料理。近くの人と話し込んで食べるのがおろそかになってしまった頃。係の人に、料理の残ったお皿を前にして「もうお下げしてもよろしいでしょうか」と尋ねられて、「まだ、食べます」と言えますか。

おいしいとすすめられた料理を一口食べ、「おいしいでしょう」と念押しされた時、「いや、まずい」と言えますか。

仕事帰りにちょっと一杯。結構お腹も膨らんで帰宅すると、食卓には料理が…。「食べてきたからいらない」と言えますか。

6つの「言えますか」を挙げましたが、ここできちんと一つでも「言えます」と言える人を私は尊敬します。
途中でお皿を下げられそうになっても「まだ食べます」ときっぱり言う自信がない私は、料理が来るとすぐに平らげるという防衛策で今まで難を逃れてきました。結婚披露宴花盛りの二十歳代の頃は、料理が来るとすぐに食べてしまうものですからよほどお腹が空いているのだと周囲に勘違いされ、同じテーブルに座る中高年の皆様が哀れんでご自分の分までよく回して下さいました。ご祝儀以上は飲み食いしていたと思います。

「もう少し短く切りましょうか」「ここ、かゆくないですか」「飲み物は何にしますか」「次の料理がもう少ししましたら運ばれて参ります」と尋ねられたり案内されたらどうでしょう。自分の意志で少しはこたえられるようにはならないでしょうか。

先生に「わかったでしょう」と念押しされて「いいえ、わかりません」とこたえる強者には、そうはお目にかかれません。せいぜい首をかしげて軽く意思表示をするのが関の山でしょうか。

「わからないでしょう?」と尋ねられると、わかった時には「わかります」とは言いやすいものです。肯定するにはエネルギーをあまり必要としませんが、否定するにはエネルギーがいるのです。

まるで説明終了後の合図のように、無意識かつ無遠慮に生徒に「わかった?」と尋ねる習慣に流されがちな毎日ですが、そんな中でも常に自分自身に「言葉の選択を間違えていないか」と問いかけることを忘れないようにしたいと思っています。

2012年1月25日(水) ちょっとしたショック

昨日「ゴリラのおっさん」の話を書いて、上書き保存し、ホームページを更新して何気なく画面をスクロールすると、直前に書いた部分が無くなっていることに気づきました。

何か書いた記憶はあるのですが、何を書いたのか、そしてまたそれが22日と23日の両日だったのか、あるいはどちらか一方の日だけだったのか、あまり覚えていません。

双葉会という勉強会で一日作問をしたことや、教室で必要な物の共同購入について提案する文章だったような気がしますが…。

どこかにご迷惑を掛けるようなことになって削除したわけではなく、私の単純な操作ミスだと思います。

ゴリラのおっさんの魔力、でしょうか。

アラカルトをご覧の皆様で、どなたか、どこかに1月22日や23日の文章がもし残っていれば、ちょっと拝見させて頂けないでしょうか。変なお願いで申し訳ありません。

ご連絡は、ユース大会の要項に載っております私のメールアドレスにお願い致します。

2012年1月24日(火) ゴリラのおっさん

「ゴリラのおっさん」の話です。

ゴリラのおっさんとは、おいやめいにゴリラがいるおじさんのことではありません。

……書くまでもないか。

4歳で大阪に引っ越してきてから21歳まで住んでいた家の近くに大きな駐車場がありました。30台ほどは停められる青空の駐車場を10台分のシャッター付きの駐車場2つが両端から挟んでいる形でした。
甲子園が始まれば、そこはにわか甲子園に早変わり。ひいきのチームや選手になりきっては友達とピッチング練習です。友達がいない時は一人でブロック塀に向かってボールを投げます。きっちりと区切られているブロックはどこがストライクなのかがわかりやすく、格好の練習場所でした。

野球がシーズンオフのときは、にわか球場は、土遊び場に戻ります。コマを回したりビー玉遊びをしたりと、それはそれは昭和時代ならどこでも見られた空き地の風景でした。
空き地…、遊んでいる子どもにとっては空き地なのですが、そこはきっちりと人の所有物であるガレージです。用もなく立ち入るのは不法侵入に違いありません。
ブロック塀には墨で黒々と「用ノ無イモノ立チ入ルベカラズ」と書いた札が掛けられていました。時にその札をストライクゾーンに見立ててボールをぶつけたりもしていましたから、悪ガキもいいところです。

でもそんな悪ガキどもが何十人集まっても怖くて太刀打ちできない存在、それが、この駐車場の管理人かつ持ち主である「ゴリラのおっさん」です。ハヤテのように現れてハヤテのように去って行くのは昭和時代のヒーロー「月光仮面」ですが、バイクに乗る月光仮面よりもママチャリに乗って現れるゴリラのおっさんの方が速く走れるように思えたのは柳を見て幽霊と勘違いするのと同じ心理作用でした。
遊ぶ時には駐車場の四隅に誰かが見張りに立ちます。ゴリラのおっさんが遠くに現れると「ゴリラーっ」と叫びます。すると誰のものであっても関係なく手当たり次第に近くのものを持ってクモの子を散らすように逃げます。忘れ物をした時はジャンケンをして誰が取りに戻るかを決めますが、そのジャンケンたるや、もう命がけです。負けた時に素直に従うものなど誰もなく、後出しだの何だのと言いがかりをつけては再戦をするまで忘れ物を取りに戻りません。

子どもが駐車場で遊んでいるのを遠くから見つけた「ゴリラのおっさん」は、地鳴りのような大声で「こらーっ」と怒鳴ります。今だとわかります。駐車場の車が傷つくことだけを恐れているのではなく、不慮の事故で運転者も子どもも傷つくことを心配してのお叱りだと。
でも当時はそんなことまでわかりません。子どもの本能がただひたすら「逃げろ」と頭の中で叫ぶのです。
何せ、本物よりもゴリラに似た顔の持ち主なのです。
否、正確には似ていないのかもしれませんが、恐ろしくてまじまじと正視したことが無いのです。

そんなゴリラのおっさんでも笑顔を見せることがありました。あろうことか、私の父親と知り合いで、道で会ったり銭湯で会ったりするとにこやかに世間話に興じているのです。そばで見ている私は、気が気でなく、条件反射のように成り立っている方程式「ゴリラ発見=即、逃走」に必死になってあらがうのです。日頃から駐車場で遊ぶことを父親にも禁じられている身としては、ここで動揺を見せると「父親のゴリラ化」にも遭遇してしまうわけですから大変です。
***************************************************
星の郷教室の教室1階は定員が68名です。頑張れば75名ほどは座れますが、指導スタッフが複数人いますので出席者が70名を超えれば2階教室も使います。
なるべく、テキストを進めていくことや試験前に時間を計って練習するといった練習内容がはっきりしている生徒たちを2階に座らせ、スタッフに指導を任せます。しかし、100名を超える出席者がいる場合は明確な基準にならない場合があったり、また遅れて出席する生徒は基準を無視して2階に行ってもらわなければならない場合もあります。
私は不審者対策もあって基本的には1階の出入口に近いところで指導しています。

入室時に出席者数を把握するためバーコードリーダーを使ってカウントしていき、70名を超えると判断すると、2階教室への移動を指示します。そして練習開始となるわけですが、開始後数分から数十分経過すると、2階から1階へ座席移動を指示されて降りてくる生徒がチラホラと現れます。

集中力が欠けている、すべての問題を説明しないとやろうとしない、よそ見が多い、質問回数が異常に多い、トイレにしきりに行きたがる、顔を上げていて指導者と目が合ってもやろうとしない、注意に素直に従わないなどなど、いろいろな理由で「1階に行きなさい」と指示されてスゴスゴと降りてきます。強制移動の前には、「次、注意を受けると1階で練習してもらいます」という警告もあるようです。

再指導を受けるために1階に降りてくる場合もありますが、そうではなく、上に挙げた例のような場合には降ろされた生徒たちは1階にいる私に強制移動の理由を告げなければなりません。2階のスタッフから直前に降りてくる生徒名と理由を私は聞いていますから、生徒は嘘がつけません。たまに理由を生徒自身が認識していない場合もあり、そうなると1階に移動させるという指導の意味が無くなりますので、私がその理由を確認していくのです。本人の口から話させることにより、反省と自覚を促すことも狙ってのことです。
生徒は、バツの悪そうな顔をして小声で理由を話します。私は聞いているだけで叱ることも返答もしません。

月曜日と金曜日、京都の私立小学校でそろばんの授業を行っています。1時間で2クラスを同時に5人の指導スタッフで見ていますが、この前、ふと隣のクラスをのぞいてみると「次、言うことを聞かなければ金本先生の横でやってもらうよ」という声が聞こえ、言われた生徒が手と顔を大きく横に振っているのが見えました。

電車で靴をはいたまま座席に立とうとしている子どもを見つけてしまいました。目で制止しようとにらんでいると母親が子どもに注意しました。「靴のまま立つとあのおっちゃんに叱られるで…」

そう、いつの間にか私がかの「ゴリラのおっさん」になっていたのです。

せめてもう少し小型で若い「コアラのお兄さん」

それが無茶なら「ゴリラのおじさま」

それもだめなら「ゴリラのおじさん」

・・・・・

幼い頃の経験がこんなところで活かされるとは…。

2012年1月20日(金) 塾報作り

毎月25日発行の塾報。出席回数や本の進度、フラッシュ暗算の合格者は20日締めで塾報に掲載するため、毎月20日からの5日間は精神的に落ち着かない期間となります。
頭の大半を「塾報を作らねば」という気持ちが占めていて、話題が決まると、もう8割ができあがった気分です。実際には、話題が決まってもいざ書くとなるとまたまた8割くらいの労力を使わなければならないため、完成した頃には16割の疲労感と達成感があります。計算が合いませんが、世の中計算通りには進まないものです。

明日、テレビ東京の番組の取材があります。午前10時30分から午後3時までの予定です。取材がうまく進みましたらまたこの欄でご報告致しますが、計算通りにはいかないでしょう。

来週月曜日は、珠算指導でお世話になっている小学校で授業参観と保護者説明会があります。2時間の授業と1時間の説明会です。カリキュラムや指導目標についての話が中心となります。あまり堅苦しくならないように気をつけようと思いますが、今から計算していてもたぶん無駄です。

西日本大会、初日分の受付で定員の8割が集まったそうです。例年になく早い出足です。

2012年1月19日(木) 西日本大会

3月11日(日)、関西珠算指導連盟主催の第7回西日本珠算競技大会が開催されます。申し込み受付は1月20日から2月11日までですが、定員になり次第締め切りとなります。この大会はメールででも申し込みができますので、この文章を書き終わる頃、ちょうど20日の午前0時過ぎにメールを出そうと思っています。
生徒から大会出場の意思表示を受けて申し込みをするわけですが、申し込みが遅れて定員になってしまって出場できないなんて生徒に言えません。

とキーボードを叩いてきて指が止まってしまいました。

では、ユース大会は?

昨年は受付開始後数十分で定員に達してしまいました。すぐにネットでその旨を発表致しましたが、その情報をご覧になった方がいらっしゃったかどうかは知るよしもないものの、直接私がお断りをしなければならなくなった先生はいらっしゃいませんでした。ホッと胸をなで下ろしたものです。

さて、今年です。
もしお断りをしなければならなくなった場合、その先生は出場を希望する生徒さんに対して、「締め切られた」なんて言えるでしょうか。

平常心で言えるわけがありません。

電話受付は今のところとても平等な方法だと思うのですが、もし定員を超えてしまって出られない人たちが出てくるとなると、申し込みの平等さは消し飛んでしまうでしょう。

世の中、定員が決まっているものはすべからくそういうものなのでしょうが、ユース大会の申込受付開始時刻は午前10時、選手たちはふつう学校に行っている時間で、自分では手を出すことのできない状況で結果が決まってしまうというのは納得しづらいものです。

何か妙案はありませんか。
すべてが杞憂に終わることを願っているのですが…。

2012年1月18日(水) 説明は短ければ短いほうが良い

「ワンフレーズ宰相」とは小泉純一郎元首相に付けられたニックネームでした。今は、知事時代に「クソ教育委員会」「ぼったくりバー」などと刺激的な言葉を時に発していた橋下徹大阪市長が、ワンフレーズ政治家の代表格でしょうか。

ワンフレーズ。言葉が短いと時には誤解を生むこともあるでしょうが、聞く側にとってはダラダラといつ果てるともしれない説明を聞くよりは、頭に残ります。

パソコンが今のようにカラフルでなく、マウスも無かった時代のこと。パソコンで作問できるソフトを作られた先生のお宅で、そのソフトを触らせて頂きました。原理は全くもってわかりませんでしたが、とにかくパソコンと対話するように必要なことだけ入力すれば自動的に作問してくれることに感激した私は、その先生が使っていらっしゃるパソコンとプリンターの型番をメモして大阪は日本橋の電気屋街に走りました。

その数年前に初めて買ったワープロを選ぶ時、何もわからなくてワープロ本体の色だけを基準に品物を決めたような私です。
が、電源を入れても味も素っ気も無いモニターがついている当時のパソコンを買うような人に、私のような門外漢は皆無だったはずで、店員は仲間を得たような雰囲気で親切にいっぱい説明をしてくれました。

私は、型番と金額しかわからない者です。言葉が通じない外国の店で買い物しているのと同じ者なのです。作問だけできればそれだけでパソコンのすべてを使いこなしていると十分満足できる者でもあるのです。

その筋の人にはよくわかる話なのでしょうが、店員さんの説明を聞けば聞くほどどんどん買う気が失せていくことを感じていた私は、とにかく品物を上から下まで包んで欲しいという旨だけを片言の日本語で伝えたのでした。

大人でさえも説明が長ければ、聞くには大変な労力が必要です。ましてそれが子どもともなれば尚更難しくなります。

人に何かを教える時、時として教える側は、自己満足を親切心という衣で隠して長々と説明するきらいがあります。しかも長くなるとわかりづらくなることを知っているので、適当な時期に相手に確認をします。「ここまでのことはわかった?」
否定しづらい質問に聞いている側は相づちをうちます。

そして説明が続きます。

やがて、真剣味にかけた相づちを打たざるを得ない側と、それにようやく気付いた説明側とが生まれ、不穏な空気が流れ始めます。「一体何回言ったらわかるの」「さっき言ったばかりでしょ」

問題は、説明が長すぎることにあります。説明開始5秒で疑問が生じたならば、その後の説明は全く耳に入らないのがふつうでしょう。

1分かかる説明は10秒ずつ6回に分けて行うくらいがちょうど良いと思います。10秒で説明できないポイントは、要点を細分化して10秒以内に収める必要があります。
たった10秒かと思われるかもしれませんが、相手と対面して10秒間一言も発しないとその時間の長さがわかります。

言葉は短いに越したことはありません。
ダラダラと書き連ねてきた分際で言うのも何ですが…。

2012年1月17日(火) 全日本ユース大会要項

2012年の全日本ユース大会の要項と申し込み書ができました。
このHPのトップページからたどっていけますので、どうかご利用下さい。

会場の定員は、一応250名です。観覧席を設置しなければ倍は収容できますが、選手が競技する姿を至近距離で見ることのできる可動式の観覧席は、第1回目のユース大会から無くてはならないものとなっています。また、限られた時間と限られたスタッフの人員で審査・成績処理までをこなすには、やはり250名が適正人数だと思います。二つの会場で総合競技と準々決勝・準決勝を行い、メイン会場で一斉に続きの競技を行うプランもあるにはあるのですが、できるなら一会場で行いたいと思っています。
昨年の申し込み日には、電話を受ける私もソワソワと落ち着かない時間を過ごしていました。いくらかけてもつながらない受話器を見つめるいったい何人の皆様から恨みを買っているのかと、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、公平に受け付ける方法は今のところお電話によるものしか思いつきません。郵便による受付では、もし第一便で定員をオーバーしてしまったときに、先着順の判断が不可能です。メールにしても送信と受信がほぼ同時というわけにはいかない時もあるようです。
つながらない電話に半ばあきらめ気分でかけているうちに突然つながり、私が出たところビックリされて電話を切った方もいらっしゃいました。そのあとどうなさったのかは知りません。
今年もご心配をおかけ致しますが、どうかお許し下さいますようお願い致します。

昨年は283名の選手、92名のスタッフ、183名のご観覧の皆様でユース大会を作りました。

ユース大会は4月2日現在の満年齢が15歳以下の選手しか出ることができません。高校2年生からは出場資格が無くなりますが、うれしいことにこの大会を卒業した高校生たちもスタッフとして運営に携わっています。出る側から運営する側になり、それまで見えなかったものが見えてきている彼ら彼女らには、新たな経験を積む場として大会を活用して欲しいと思います。そしてそんな中から、珠算指導を一生の仕事として選択するきっかけを見つけてくれるとなおうれしく思います。

そう、ユース大会は、あらゆることのきっかけをつかむ場なのです。

大会に向けて練習し、ユース大会後、日頃の練習に戻った時に実力の伸びを実感すること。
多くの人たちが見つめる中で、緊張感を持ちながら実力を発揮すること。
少ない指示を的確に判断して自分の意志で動くこと。
仲間を作り、尊敬できるライバルを見つけること。
終了後、新たな目標設定ができること。

勝ち負けだけを決めるために大会があるわけではありません。大会を作る一人ひとりが持つ何らかの意識の総体が大会という舞台なのです。

スタッフ一同、2012年「夢舞台」の準備を少しずつ始めていきます。

2012年1月15日(日) 全日本ユース大会

2012年の全日本ユース大会の日程が4月15日と決定致しました。
昨年までの大会にご参加頂いた皆様には近日中に要項を発送致します。またこのホームページでも閲覧できるように致しますのでしばらくお待ち下さい。
お申し込みは、昨年同様お電話のみでの受付となります。先着順ですが、どうかよろしくお願い致します。

さて、今日は名古屋での講習会でした。パソコンが不調でDVDをゆっくりと見て頂くことができませんでした。では、資料の説明が存分にできたかというと、これまた時間切れでした。

もともとペース配分も何もなく、今見て頂きたい資料や映像をすべて準備していきますから、全部説明するとなると時間切れになるのは当たり前なのです。念のためにあれもこれもと詰め込んでしまうのは性格としか言いようがありません。

上の子どもが赤ん坊の時、宿泊をともなうある珠算大会に連れて行かざるを得なくなり、念のためにと思ってほとんど無意識にオムツ一袋、粉ミルク一缶を車に積み込んでいました。たった一泊の旅行でです。しかも、宿泊地は、この日本です。無くなればどこでだって手に入るものなのに…。まったくもって馬鹿げていますが、まぁ車で行くのだから少々の荷物はいいかと思っている間に、荷物はちょっとした夜逃げ状態にまでふくれあがりました。

問題を作っていても、「大は小を兼ねる」とばかり、大量になってしまいます。問題が今のように豊富には無かった頃を経験しているだけに、問題がたくさんあるというだけで安心してしまうのかもしれません。

2012年1月13日(金) 左手立商

星の郷教室では、年齢、商の案出にかかる時間などを考慮しながら、生徒によって左手を使った立商をなるべくわり算の導入時から行うようにしています。その様子を動画にしましたので、よろしければご覧下さい。まだまだたどたどしい指さばきですが、千里の道も一歩から、という表現がまさにピッタリくると思います。

問題は2436÷3です。左手で商を布数しながら、同時に右手で引いていきます。
慣れてくると、右手がまだ引き終わらないうちに次の商を左手で布数できるようになってきます。するとそれにつられて右手の動きが速くなり、負けじと左手の立商も速くなり、またまた負けじと右手が速くなり……と、両手の同時処理がどんどん進んでいきます。指示しなくとも勝手に速くなるわけですが、これは伝票算と似ているかもしれません。紙をめくる速度が上がると計算速度も上がり、計算速度が上がると紙をめくる速度も上がるのです。

さて、そろばんでの左手の役割は、ひとことで言うと「右手の補助」です。両手を使った方が早くなる場合や、左手を使った方が便利になる場合に用います。

そういった意味で、左手そのものを器用に使いこなす訓練、すなわち「右手と同じことを左手でもできるようにする」こととは少々異なります。これは「そろばんを使って左手の訓練をすること」ですが、そろばんの計算における左手使用は、あくまでも「左手も使ってそろばんを速く弾く」ことが目的になります。

ただし、左手だけでそろばんを弾く訓練には別の効果があると思います。中国で行われている練習風景をビデオで見たことがありますが、そろばんの右端では右手を、左端では左手を使って同じ計算をしていました。専門外の憶測ですが、脳をバランスよく刺激するには良い感じがします。

先日見学させて頂いた宮城珠算学校では「165」を左手だけを使って1分間たし続ける練習がありました。様々な機能を高めていく珠算学習の役割の一つを垣間見た思いがしたものです。

2012年1月12日(木) 根比べ

小学低学年の男の子。集中力が途切れ気味でよそ見が多く、授業中何回も私と目が合います。目が合うたびに練習を再開しますが、しばらくすると、今度は私と目が合わない方向を見て、物思いにふけるともなく、手遊びをするわけでもなく、休憩をしています。難しくてできないわけでもなく、嫌々通っている風でもなく…。

それがその子のペースだと言われればそれまでですが、かといって「はい、そうですか」というわけにもいきません。

以前一度だけきつく叱ったことがありますが、どうも、叱られている、という実感が無いような感じでした。次第にこちらも叱っている実感がなくなってきて、振り上げた拳で頭のてっぺんを掻くしか仕方が無かったような記憶があります。

今日は一番前に座らせてみました。するといつもよりは多少マシな感じですが、それでもやはりジッと何もしない時間が過ぎていきます。周囲がいくら熱心に取り組んでいても全くお構いなしです。一生懸命熱心にボーッとしているのです。

私の教室では、毎日の課題量が決まっているわけではなく、基本的に時間ごとに授業が展開していきます。
こういう授業体制においては、集中力が続かない生徒には課題を決めておいて、それを達成するまで帰ることができない制度にすれば解決できると思うところですが、そうすると俄然やる気を出して短時間で終わらせたりしますから一筋縄ではいきません。「言ったことは実行し、実行できないことは言わない」のが指導者としての鉄則だと考える私は約束は守らなければなりませんから、いくら短時間でも「はい、帰ってよし」と言わざるを得ませんし、それよりも何よりも、帰ることができないという罰則から逃れるために集中するのは、あまり上品な集中力とは思いません。

そこで今日は、「よそ見をしている時間を計って、その分だけ終了時間を延ばす」と宣言しました。
そして「今から何もしないぞ」と思ったらスタートボタンを押し、「さぁ、始めよう」と思ったらストップボタンを押すようにと、その生徒にストップウォッチを持たせました。これも罰と言えば罰なのでしょうが、できるまでは帰ることができない、という罰よりはちょっとだけマシなような気がしての措置でした。

するとどうでしょう。おもしろいもので、まったくよそ見をせず、一心不乱に取り組んでいます。
心なしか、採点に持ってくる足の運びまでいつもより速めです。採点が終わって席に着くまでの後ろ姿も軽やかではないですか。

願わくば、これが数日間持続して、進んでいく楽しみが次への動機付けとなっていく、という本来の正しい姿を身につけてくれればと思いますが、果たしてどうでしょうか。

今度の授業が楽しみです。

2012年1月11日(水) 授業参観

当教室はいつでも授業参観ができます。事前の連絡もいりません。今現在通ってきている生徒の保護者だけでなく、入会を検討している方、まったくの興味本位の方、どなたでも大丈夫です。
よほど混み合っている時は一箇所にとどまって見て頂くこととなりますが、ふつうは教室内のどこでも見て頂けます。

生徒の保護者が見学にいらした場合、見学場所は私の隣です。ご自分のお子様だけでなく、全体を見て頂きます。そして、何を教え何を教えないのか、どこまで援助しどこの時点で生徒の自立を待つか、間違えた箇所の指摘のみにとどめる意味、質問に来た生徒が不安な顔から自信満々な表情に変わる「あっそうか」と膝を打たんばかりの瞬間などを私が解説を加えながらつぶさに観察して頂きます。「一番後ろに座っている男の子。先程から私と3回、目が合っています。呼んでもらうのを待っているのですが、もう少し我慢させます」「壁際の女の子。あと10秒よそ見が続くと、私から注意を受けます」「前から3番目に座っている生徒。何かをやっている様子ですが、先程からそろばんを掃除しているだけです。帰る時間になって『もう一時間残ってやりなさい』と注意されたとたんにやり出すか泣き出すパターンです」などと、採点をしたり指導をしながら見学の保護者に話していきます。
保護者には、「ご自分のお子様2割、全体を8割の割合で見るとちょうど良いくらいです」とも言います。この数字を意識しても、実際はご自分のお子様を5割くらい見てしまうのですが、それで良いのです。

ふつう、家庭では、そのお子様と同級生の子どもはお子様一人だけです。双子や三つ子は例外です。授業参観では他の同年齢の子どもたちの動きや理解力を感じ取り、今後の子育てに生かしていくのも目的となります。そういった意味から全体を見て頂くことにしています。

授業参観。後ろから見ても何もわかりません。お子様が手を挙げるかどうか、という一点に親の関心が絞られる場合もあります。いきおい、時間を持て余す保護者の中には、携帯をいじったり雑談に興じる方々も出てくるようで、子どもたちが親に注意するという笑えない現実もあるようです。
参観は、生徒の前から、あるいは横からがおすすめです。そこから参観すると、子どもが、わかって手を挙げているのか、わからないのに手を挙げているのか、わかっていても手を挙げないのか、わからないから手を挙げないのかが一目瞭然です。また、手を挙げたくても恥ずかしくて手を挙げられないものの、質問に反応して指先がビクリと動く瞬間が見えるのです。

何よりも、子どもたちと対面することで、参観する側にも緊張感が生まれます。

2012年1月10日(火) 全日本ユース大会

今年のユース大会。会場となる立命館小学校の2012年度の細かな日程が現在策定中のため、ユース大会についてまだ発表できません。すでにいくつかのお問い合わせを頂いておりますが、もうしばらくお待ち下さい。

先日の沖縄訪問で、宮城珠算学校の宮城忍人校長先生から伺った話です。

宮城珠算学校は第1回のユース大会からほとんど毎回参加して頂いていますが、ある生徒さんが、「大会中に上手になった気がする」と宮城先生に話してくれたことがあったそうです。宮城先生は「『大会でうまくなった』ということはよく聞くが、『大会の真っ最中にうまくなった』とは聞いたことがない」と仰っていました。

ユース大会は、日本各地からなるべく日帰りで参加して頂けるよう、正午開会・午後4時終了を目指しています。4時間で、総合競技・種目別競技準決勝・種目別競技決勝・フラッシュ暗算・表彰を消化していくわけですから、スピードが勝負です。
だからといって、競技の中身が薄っぺらなものになってしまっては、大会で充実感は得られません。

中身を濃くしつつ、スピードを上げる…。

前にクリスマスカップの項でも書きましたが、選手と運営者と観覧者のすべてが主体的に大会にかかわるエンジンとしての役割を持つことでこの二つの目的は達成できます。

そういった空気を持つ空間は間違いなく人間を成長させてくれるのですが、宮城先生に先の言葉を発した生徒さんは、この空気を生みだす主体となり、そしてまた吸いこむ主体ともなったのでしょう。

今年の大会も、会場の収容人数の関係で、募集定員を280名程度に限定しなければなりません。3月初旬に申込日を設定致しますが、昨年同様、今年も電話受付開始後数十分で定員に達することが予想されます。

今日は「十日戎」。西宮戎神社では恒例の福男レースがありました。ユース大会の申し込みに、先生方には福男ばりの俊敏さをお願いしなければなりませんが、どうかご寛恕の程お願い申し上げます。

それにしても福男はその後どういった人生を歩んでいるのでしょう。「福男、前と後」なんて特集、どこかの局でやってくれないものでしょうか。

2012年1月8日(日) 沖縄訪問

1月6日から8日まで、沖縄県を訪れてきました。
当教室が所属しております一般社団法人大阪珠算協会は平成23年度が創立70周年に当たります。70周年記念事業として指導書『珠算指導事例TIPS』や段位認定試験の問題集を発行したり、記念フラッシュイベントを開催してきましたが、その締めくくりの行事として沖縄県浦添市の宮城珠算学校を見学し、宮城忍人校長先生の講習会を受講する行事が実施されました。

参加者は総勢46名。様々な目的を持っての沖縄訪問です。
あいにくの雨模様ではありましたが、日本で最大級の規模と実力を誇る宮城珠算学校は、何もかもオープンに、ありのままの指導内容と授業風景を余すところなく見せて下さいました。
特に、そろばんを使った計算方法をメロディーに乗せて生徒全員で歌いながら展開していく独特の指導法の『口唱授業』は圧巻でした。
計算方法が歌詞になっているわけですから、指導する言葉にそのときどきによって変化も迷いもありません。基本的な指導部分にぶれが無いということは、生徒にとってはいつ聞いても何度聞いても、どの先生から習おうとも同じ指導を受けられるというメリットがあります。
このように、一貫した方針が徹底している指導の根幹と、各々の先生方のオリジナリティーあふれた枝の部分とがうまくミックスされた授業。これが宮城珠算学校の最大の魅力だと感じました。

創立56年を迎えられた宮城珠算学校。初代校長先生から現在のスタッフの皆様に脈々と受け継がれている年輪という縦軸と、現在も教壇に立って実際に指導なさっている初代校長先生や現在の校長先生をはじめとする各スタッフの皆様がこの一瞬にかけていらっしゃる横軸とが見事に融合された空間は、文字通り『盤石』という言葉がふさわしい、とても気持ちの良い場所でした。

2012年1月5日(木) 初授業

今日は2012年の初授業でした。
1時間目が始まるのは4時20分ですが、30分ほど前から一人また一人と教室前に集まりだしました。
生徒たちは教室前の階段にひな人形よろしく並んで待っていますが、それでも限界があります。
敷地外の道路上にまではみだしそうになった時点で、扉を開けました。

1時間目の出席人数は89名。
1階教室の最大収容人数は68名ですから2階教室を併用しました。

年末は29日まで授業を行っていましたから6日間の休みだったわけですが、生徒たちの顔を見るとなにやら妙な懐かしさを感じました。
こんな感慨を持ったのは初めてのことです。
もしかすると、これって歳のせい?

43×702を3096と書いてバツになり、再度自分で計算して同じ答になって質問に来た女子生徒。休みを挟んでいたためか忘れ気味です。
質問には答えずに別の紙に43×72と書いて席に戻って計算させました。

43×72は3096です。先の間違えた問題と同じ答になっておかしいぞ、と気付いてくれればそれで良し、です。
でも、同じ答になっておかしいぞ、と気付く生徒は43×702の間違い直しで再度同じ答になってしまった時点でおかしいと気付くものです。ですから43×72が3096になり、43×702を再度計算しても3096になって質問に来る生徒は、何かがおかしいぞ、と気付かないまま、やってくるわけです。

こんな場合は、「同じ答で間違えるということは、間違えた方法でやっているからである」ことをまずは認識させ、「正しい方法はどういうものだったかを思い出せればできるようになる」ことを意識させ、「今自分がやった方法で計算してはいけない」と考えさせることで解決に近づけていきます。

それでもできない場合は、まず「3×722」、次に「3×712」、そして「3×702」を縦に並べて書き、答の2166、2136、2106も縦に書かせてその変化を目で確かめさせる方法も有効です。

43×702を3096とするような、十位の0を無視して計算したりたし場所を間違えるのは、基本的な事柄をしっかり守って計算しようとする意識の欠如によるものです。
たし場所の間違いを指摘すれば当然すぐに直る間違いではありますが、その原因が規範意識の欠落や不注意によるものであるならば、指導すべき点は計算方法そのものよりもむしろもっと深い次元にあると言えます。

さらに、同様の間違いが複数の生徒に多発するのならば、最初の指導方法に問題があるかもしれませんから、私たち指導者には謙虚な姿勢が不可欠です。

ところで…。

現在、平均して3回の授業に1回は2階教室を併用しています。できれば1フロアで授業をしたいのですが、なかなかうまくはいきません。

というわけで今年は、1フロアで百名以上座れるところに教室を移転します。

何度か授業中に生徒たちに話しましたが、あまり信用してくれていません。

でも、私は、本気です。

2012年1月4日(水) 仕事始め

ここ数年、新しいドリームカード作りが仕事始めになっています。

今日の午前中いっぱいかかって作成しました。

まずカードに刷る文字の色を決め、昨年の原稿の年度部分を書き換えて印刷します。
ドリームカードはB4判用紙に15枚とれる大きさでbP〜bQ8350まで、
B4用紙1890枚分印刷し、裁断しました。明日の授業から配布が始まります。

夕方はお世話になっている先生のお宅を訪ねました。
ここ数年来、先生の体調が思わしくなく、今日も昼頃に夕方以降の予定を伺ったところ、
15分程度の訪問なら、という約束になりました。

心配しながらお目にかかったところ、やはりお顔に元気がありません。
治療の様子や病状を淡々とお話しになりましたが、いい話ではないこともあり、沈んだ雰囲気のままもう少しで約束の時間を迎えようとしていました。

先生に相談事と報告があった私は、短時間で用事を切り上げるべく、最近作成した教材について説明を始めました。すると次から次へと先生は質問を出され、教材に関する感想も拝聴し、今後の展望まで話し込むことになりました。気がつくと約束の時間を大幅にオーバー。先生のお顔には赤味がさし、お元気だった頃そのままの表情に大変身です。


妻が第一子を身籠もった当初、激しい「つわり」に悩んでいました。食べ物を受け付けず、においには敏感になり…。
そんなある日、今日訪ねた先生のご依頼で、ある大会のお手伝いに私たち二人で出向いたことがあります。妻の恩師に当たる先生の前で、妻は、日頃のつわりのそぶりも見せず、よく動きよく食べ、まるで別人です。つわりは「いつわり」のことだったのかと私は我が目を疑いましたが、気持ちの重心をどこに置くかで、こうまで人は変われるものか、人には人を変える力があるものか、目標が人を支えるということがどういうことなのかと、先生とお会いして感じ入りました。

2012年1月3日(火) 三日坊主

元旦の朝からひげを伸ばし始めた

というか、剃るのをサボっていた

今年はひげを伸ばそうかと思い始めた

その矢先、娘に、おっさんみたいといわれた

「みたい」ではなく、まぎれもなく「おっさん」だ

恥ずかしくなってきた

今日、人に会うためにひげを剃った

ツルツルしてスッキリした

これを「三日坊主」という、かな?

2012年1月2日(月) その時あなたは

昨年末のドリームカード景品引き換え。1等賞品はNICONのコンパクトデジカメにしました。

当選番号一覧を12月15日に発表したところ、数日後の授業前に、1等の当選者情報が当選者の通う小学校の上級生から私にもたらされました。

1等に当選した気持ちはどんなものなのだろうという好奇心から、当選生徒に「その時」の心境を作文するように指示したところ、「恥ずかしくて本人が書けないので代わりに私が書きました」と、お母様が書いてくださいました。「その時」の様子が詳しくリアルに描写されていますのでご紹介してみようと思います。文中の名前は伏せています。

金本先生様
子どもたちが大変お世話になっております。
今回、○○(生徒名)がドリームカードで1等当選してしまい、正直「申し訳ありません」という気持ちです。○○以上に頑張っていらっしゃる子どもたちがたくさんいるのに・・・。○○の1年間のごほうびとしては、分不相応ではないかと思ってしまうのです。
12月15日、発表の日、「この日を待っていました!」と言わんばかりにウキウキした笑顔でそろばんに向かいました。帰ってきて、夕食・おふろ・歯みがき、すべて寝る準備ができるまで、ドリームカードは触ってはいけないと約束し、いつもの倍のスピードですべてを終わらせ、いざ!番号を照合していました。
離れたところでひとり真剣な眼差しで確認...と突然顔を真っ赤にして
「えっ、えっ、えーっ!!うっそー。ちょっと待って、1等あたってるっ....」
私のところへ来て
「なぁ、なぁ、1等当たった!」
と動揺しながらドリームカードを見せてくれました。主人も私も妹もみんな
「はぁー???」
その後は大爆笑です。
「明日、誰かに言うの?」と聞くと
「うん。」
「あんまり人に言わない方がいいんじゃない...。」
と言うと、
「なんでー。」
と不思議そうに聞いてきました。
その理由は、翌日、本人が一番身にしみて感じたと思います。友達ひとりに話したところ、噂はたちまち広まり、自分の知らない上級生からも声をかけられたそうです。かなり恥ずかしかったようで少し後悔した様子でした。
“ウワサも75日...”、なんてため息をついていました。
噂は1週間もしないうちに消え、本人もホッとした様子でしたが、日がたつにつれ、今度は番号を見間違えたのではないかと不安になったようです。何回も何回も私に確認していました。また当選カードが無くなりはしないか...。自分で持っているのも怖くなったようで、今日まで私が保管してきました。○○は今日やっと安心することでしょう。
しかし、思い返せば、机の上はいつも汚く、いただいた大切なドリームカードも散乱している状態で、よくも無くさず1年間貯められたものだと呆れてしまいます。やはり○○にはもったいない気がしてなりません。(後略)


大晦日には年末ジャンボ宝くじの当選番号抽選会がありました。日本各地に、(当選金額はデジカメとは悲しいほど違いますが)心境としては○○くんと同じ人たち何百人がジッと息を潜めて気配を消しているはずです。潜めても潜めてもどうしてもほころんでしまう口許を隠しきれずに……。

元旦の昼過ぎ、年賀状の出し忘れ数枚を準備して近くのポストに行きました。
私の前には親御さんに頼まれてきたであろう幼児が、つま先立ちで精一杯手を伸ばして年賀状を投函していました。やっとの思いでポストに入れたあと、その女の子はポストの前でそっと両手を合わせ、祈り始めました。きっと初詣にいって来たのでしょう。何かを出したら両手を合わせて目を瞑る・・・・・。お年玉付き年賀はがき、当たると良いねと思いながらその様子を見ていましたが、当たってうれしいのは年賀はがきをもらう人なのでした。

十年ほど前、年賀はがきの抽選で2等が当たったことがあります。いくつか選べる景品の中、自分では絶対に買わないだろうな、というものを選んで頂きました。

頂いたものは「折りたたみ自転車」

数週間後に届いた自転車に空気を入れ、いざ、というときになってハンドル部分に貼り付けられた注意書きを見ると、「体重60s以下の人しか乗れません」。

やはり自分では絶対に買わない、いや、「買えない」ものでした。

2012年1月1日(日・元日) 復興元年

いつもは、新年の挨拶や日頃のご無沙汰のお詫びを書いている年賀状。

今年、珠算の先生方向けにお出ししました年賀状には、「復興元年」というタイトルで初めて長めの文章をしたためました。

決意めいたものを書くのは照れくさくて、今までは書いたとしても「今年こそは減量します」などと誰も信用しないことを前提に冗談で流して頂けそうなことに終始してきましたが、今年に限っては、書きました。

昨年3月11日。大震災の日。
4月半ばに開催する全日本ユース大会の受け付けが終了して、受付済みの案内文書をしたためている日でした。
未曾有の大惨事を映し出すテレビ画面を前にして、日本中が日常生活すらままならなくなっていく事態が容易に想像できる中で、キーボードを打つ手がどうしても進みません。

休止することは念頭にありませんでしたが、開催する大義が思い浮かばないのです。

かといって、時間をあければあけるほど、動揺が広がります。時間をかけたとしても事態が好転するには大会日まで日が無さすぎます。参加される皆様の予定も気持ちも定まりません。

結局ユース大会に申し込みをされた方の中で直接被災された方がいらっしゃらなかったことがわかり開催する決断をしました。

案内文書には以下の文面を入れました。
「未曾有の大災害が発生致しました。
人的被害・物的被害・精神的被害、どれもが想像を絶する状態です。
それでも、生きている限り、人は悲しみと寄り添い、あるいは悲しみを抱え、あるいは乗り越えて、進んでいかなければなりません。
ユース大会の開催可否に関するお問い合わせを頂いております。
いかなる逆境にも立ち向かうのが若さの特権だとするならば、なおのこと、「挑戦者たち」のためのユース大会を凛として実施しようと思います。
そろばんができることを感謝する場としてすべての大会関係者がユース大会に集えるよう、万全の準備をいたす所存です。」
今できることを精一杯する。それしか思いつかなかったのです。

今はなき父親が最初の手術を受けた時、麻酔から覚めた父がベッドの周りにいた私たち兄弟に最初に発した言葉は、「仕事は?」でした。

9・11テロの時、ニューヨーク市長が市民に呼びかけた言葉は、日常生活を日常通りに送ろう、というニュアンスのものでした。

ずいぶん後になって、ふと思い出したのが上の二つの言葉でした。ニューヨーク市長と我が父親を同等に扱うのは、まさに想像の世界ゆえになせる技で、はなはだ不釣り合いなのは承知していますが、潜在意識のどこかにしっかりとこの二つが根を張っていたのかもしれません。

珠算学習の可能性は人間の様々な能力を伸ばしていくことに集約されます。震災からの復興は今を生きる私たち一人ひとりの力を少しずつ上げ、それを復興に向けることで実現していきますが、そのために珠算学習ができることは何かということをユース大会の講評で述べさせて頂きました。今できることに手を抜かず全力であたること。これがユース大会が全参加者に伝えたいメッセージです。
今年の年賀状にもこのことを触れ、決意表明とさせて頂きました。
  ・
  ・
  ・
震災の直前に決まった今年5月の宮城県での講習会。昨年の7月頃でしょうか、宮城県支部から「こんな状態でも来て頂けるでしょうか」とのお電話を頂きました。被災地にありながら整然と着実に前をお向きになり、日常を進めていこうとなされる様子に感銘を受けました。

もちろん準備万端整えて、臨ませて頂きます。

2011年12月30日(金) ドリームカード景品引き換え

教室の行事としては本年最終となるドリームカードの景品引き換えが本日無事終了しました。

先月号と今月号の塾報で、小学5年生以上のお手伝いを呼びかけました。ふたを開けるまでどれほどの生徒が集まってくれるかまったく不明でしたが、何とかなるだろうという安易かつ希望を持った気持ちで本日を迎えました。

集合時間の朝9時。教室には続々と集まってきてくれました。大学生や高校生のOBも飛び入り参加してくれ、総数は30名を超えました。

午前11時の景品引き換え開始までの2時間で、教室の掃除、机の配置替え、景品の仕分けと陳列などなどの作業を手際よくこなし、今日来られない生徒70名ほどの分の景品引き換えを済ませ、いざ、本番です。

私は、といえば、日頃できない箇所の整理や掃除、教材の在庫確認などに明け暮れていました。引き換え自体では全くと言っていいほど手伝うことがなく、たまにすることと言えばプラスチックゴミと段ボール・紙ゴミの仕分けくらいで、あとは全面的に生徒たちに任せることができました。

そこでふと思ったのが、これって日頃の授業そのものではないのか、ということでした。

生徒たちの質問には、大まかに言って三種類あります。
一つ目は、新規に学習する内容について。
二つ目は、全く忘れてしまって、にっちもさっちもいかない場合。
三つ目は、何となく助けて欲しい場合。

一つ目に関しては、生徒が質問に来る前に対応しますから頻度としてはあまりありません。
二つ目に関しては、思い出すように仕向けたり、前の内容に戻って対応します。
三つ目に関しては、たいてい、無視です。

「無視」というときつく伝わるかもしれませんが、結果として無視しているには違いないのでこう書いています。実際には「自分でやっておいで」と追い返したり、「わかりません」という訴えに、「ふーん」とうなずいてニヤッと笑うだけだったり、といった対応になります。

質問の大半は三つ目に属するもので、私としては、自分でできる、自分でやっと欲しいという判断をすることがこれまた大半です。
自席で取り組んでいる時に、なんとなく歯車がうまくかみ合わなかったり、気持ちが途切れてしまうと、「できない」「わからない」と生徒たちは思い込みがちなのですが、意を決して質問に歩いてくる間に気持ちがリセットされてほとんどは自力で解決できるようになっているのです。

ここで教えてしまうと、生徒たちには実力ではなく依存心が育ちます。
教えずに自力でできると達成感と自信が育ちます。

たとえ時間が二倍かかったとしても、自力で解決させたいと思う理由がここにあります。

「一つ先の行動」を考えて自分で動く姿勢の育成には、こんな小さなことの積み重ねも効いているのかもしれません。

生徒たちを誉めることは滅多にありませんが、本年最終のアラカルトであることに免じて頂き、記しておこうと思います。

では皆様、よいお年をお迎えください。

2011年12月28日(水) クリスマスカップ

一堂に会する大会としては、おそらく日本最大級の参加人数を集めるそろばんクリスマスカップ2011が無事終了しました。
ミレニアム記念として2000年に第一回が開催され、そのときどきの諸事情を考慮して場所・内容を毎年のように変更しながら12年目を迎えました。

2000年12月、生後8ヶ月の長女を連れて手伝いに浦和に向かったのがついこの前のように思えますが、そんな長女も出場している小学3〜6年生の会場で今年はお手伝いをしました。

進行係に与えられる至上命令は、時間内にすべての競技を規定に従って無事に終了すること、です。

制限時間が決まっている総合競技や読上算を読む速度で時間を縮めることはほとんど無理です。縮まったとしてもわずか数十秒でしょう。

では、時間を縮められるところはどこかというと、それは規定の時間以外のところ、例えば種目別競技中の人数確認や交換審査、競技と競技の間に入る「間」ということになります。

説明が長くなったり、伝達事項を一度に多く話してしまうと、選手たちには確認することや疑問が増えます。そうすると会場がざわつき始めます。ざわつくと同じ説明を二度三度加えなければなりません。二度三度と説明を繰り返すうちに一度目の説明でキチンと聞こうという姿勢がだんだんと薄れていきます。するとさらに私語・雑談といったざわつきはひろがりを見せていきます。
静かにするように促す注意は実は注意ではなくお願いかもしれません。注意をしなくても済む状況をそれまでに作り出すことができなかった運営者側にざわつきの責任があるのは明白です。

反対のことをすればどうでしょうか。説明は短く、作業指示を一つずつ行うのです。そうすることで、全体に迷いが減り、自然と隣同士での確認作業や話が減ります。会場全体のテンポが上がっていきますが、みんなが何をどうすれば良いのかがわかっている状態で進んでいきますから、大きな渦のまわりで翻弄されるのではなく、渦の中心あるいは渦の中心に近いところにいられる安心感と気持ちの余裕が、次の行動の予測を生み出し、その結果としてまたまた良いテンポと緊張感が出てきます。
答合わせで答を読み上げるとき、最終番号から読むことで全員の終了がそろいます。一番から読み上げると途中で採点が終わった人からざわつきが始まる可能性があります。
また、最後の答を言い終わると意識は得点を数えることに向かうわけですからそこで説明をしても全体には伝わりづらくなります。そこで、最終問題を1題分残したままで答合わせ終了後の作業を端的に指示し、それから最終問題の解答を読み上げるようにします。次に何をするかわかっている状態にすることで安心感が生み出されます。
流れについて行けない子ども達も中にはいますが、大きな失敗につながっていくようなものでなければそのままにしておくほうが良い場合があります。周囲の行動を見て、それに合わせられるようになっていく順応能力を子ども達は持ち合わせているからです。そこのところで、周囲の大人が親切心から援助の手を差し伸べてしまうと、順応能力を磨いていく折角のチャンスを失わせることになってしまうことにもなりかねません。
立ち止まってドギマギしている子どもにはそっと後ろから背中を押してあげて反応を確かめ、動けなければ話を聞いてあげ、話し出せなければ話し出せるような誘い水を差し向けて……と順序があるのですが、それを大人がやってしまうと伸びていく隙間がなくなってしまいます。

時間短縮を意識しすぎるあまり、私たち大人は何でも早く早くと急き立ててしまいがちですが、遅れてしまう原因は何か、それは防げないものか、やたらと急き立てるのではなくメリハリをつけるところはないか、トイレ休憩の間にできることはないかと、一連の流れを分析して「仕分け」しておくことで、急き立てずとも時間短縮は可能かもしれません。慣れていない場所に集まる小学生200〜300人のパワーは並大抵のものではありません。

「みんなが主役」とは、それぞれが中心人物であるということではなく、それぞれが目的意識とエンジンを持って参加することを指します。
種目別競技で日本一決定戦の出場資格を得るために行われた高難度の問題は大半の選手には難しすぎますが、選手たちは「やがて通っていく道」に思いをはせ、懸命に挑む選手を心の中で応援しました。その思いは、正解者が出た時の自然の拍手となって表出しました。同じ会場で、正解した選手も見守っていた選手もそれぞれが今できること、今すべきことをキチンとこなした主役でした。

5・6年生の部の終了間際に選手たちの見事な姿勢を私は率直に伝えましたが、そろばんの大会だけでなく、あらゆる場面で「全員が主役」の意味をかみしめて、持てる力を発揮して欲しいと思っています。

予定時間通りに進行できたのは、選手・運営スタッフ・観覧者の三者がみんなで「大会を成功させよう」「ベストを尽くそう」「大会で伸びよう」という緊張感と認識を共有できたことに尽きます。

2011年12月23日(金) 追い込み

毎年のことながら、師走も押し迫ってくると、猛烈に時間に追われるような気持ちになってきます。郵便ポストに「年賀状」と「年賀状以外」の投入口が設置されるようになると、もうダメです。小学生が宿題に追われる長期休暇の終わり頃にも似た感情になってきます。

実際、気持ちだけではなく、やらなければならないことが山積しているのですが、皆さんはどうでしょうか。

ずいぶん前から、そう、もう何年も前からこの時期にこうなることはわかっているのです。にもかかわらず、性懲りもなくというか何というか、毎年同じ轍を踏んでいるのですから情けありません。

年賀状作り、景品交換会の準備、塾報作成、クリスマスカップの引率、大掃除……。加えて、来年正月早々には、大阪珠算協会創立70周年記念研修会として、沖縄県の宮城珠算学校の授業見学と宮城忍人先生の講演があります。そのため、振替授業として年末年始に授業を入れました。

ずいぶん前。年末の教室大掃除を中学生たちとしていたときのことです。
ある男子生徒が換気扇を分解して掃除をする許可を求めてきました。気合いの入った申し出に一も二もなく、もちろん疑うことなど微塵もなくOKを出したところ、バラバラにしてそれはそれはピカピカにしてくれました。

しばらくしてその生徒。「先生、部品が一つ余りました」といって指先でバネを一つつまんだまま私に向かって笑顔を見せてくれるではないですか。

分解の許可は、当然、元に戻すということもセットしてでの許可です。

分解した時の記憶を呼び起こして、逆向きに再現すれば元通りになるはずだからと冷静になって思い出すように指示をしましたが、もともと部品が一つ多かったかもしれないなどと訳のわからないことを言い出す始末。

バネは、換気扇のスイッチを切る紐につながっていたもので、この年の大掃除からあとはスイッチを切るたびに紐を手で押し上げなければならなくなったのでした。

そんな彼ももう立派な大人になっているはずです。この失敗をバネに飛躍してくれていることを祈っています。

2011年12月20日(火) 検定試験について

来年2月実施分の日本商工会議所珠算能力検定試験の受験申込期日が迫ってきました。
地域によっては、もう締め切られたところもあるかもしれません。

能力検定は、全国同一日、同一時間、同一問題で実施することになっています。問題漏洩を防ぐことや公平性の観点から、そうなっているのでしょう。

中学生の生徒が1級の申込書を出す時に私に行った言葉。
「クラブの試合の成績によっては、試験日にクラブ活動が入るかもしれません。その場合、1級を受験できなくなりますが、そんな失礼なことをしても大丈夫でしょうか?」

「試験日をかえてください」という申し出なら規則のことを前面に出して即座に断ったでしょう。
が、「失礼になりませんか」という訊き方をされると、今度は融通の利かない試験のほうを何とかできないものだろうかと、考えてしまいました。

権威・資格・到達度の目安・低年齢化・受付から成績発表までのシステム・主催者の名前・問題程度・制限時間・種目・作問規定・統一……。

いくつかのキーワードが浮かんできますが、時機を見て、書いていこうと思います。

2011年12月18日(日) めでたく一等誕生

ここ数年出なかったドリームカードの一等当選者が出ました。これで、「わざと無い番号を選んでいるのではないか」と疑われず?に済みます。

情報は当選した生徒からではなく、当選生徒と同じ学校に通う別の生徒から聞きました。
「先生、一等のデジカメが出ました」
「誰?」
「○○です。学校で聞きました」
「じゃあ、買いに行かないと」
「?????」

冗談で言ったのですが、どうやらこの不用意な冗談がまた新たな憶測をよんでいるようで、なかなか賑やかな年の瀬です。

さて、今日は大阪珠算協会主催の珠算指導者講習会でした。2コマ目を担当させていただき、90分ほど話してきました。テーマは「塾でのベストな指導 〜初歩から3級までのツボ〜」というものでした。
講師のご依頼を承った時は深く考えなかったのですが、改めてテーマを見直しているうちに、「ベスト」という文字がどうにも引っかかるようになってきて、なかなか考えが先に進みませんでした。
「現状」なら話せますが、それがベストかと問われると他にベストがあるような気になり、それが仮に見つかったとしてもそのまた先にベストがあるような気がして……、欲望はとどまるところを知りません。

そこで、来年度から採り入れるつもりの新練習問題と指導問題の説明に少しばかり時間をかけさせてもらいました。まだ始めてもいない練習内容なのですが、今までの指導と教材をもとに新たに編集し直したものになります。

「ベストな指導」は話せなかったのですが、「ベストを目指していく指導と教材」についての話だったとご出席なさった先生方にご理解頂けましたら幸いです。

では、出席なさいました先生方。大掃除を始めましょう。

2011年12月15日(木) ドリームカード当選番号発表

本日、ドリームカードの当選番号を発表しました。

ホームページでは昨夜遅くに公表しています。

授業開始前に当選番号と賞品一覧を配布。プリントをすぐにカバンにしまうように指示しましたが、気もそぞろな様子の生徒がたくさんいました。

授業と授業の合間、生徒の入れ替え時は、学校でいうと休み時間にあたります。2時間連続や3時間連続で練習する生徒達にとっては、この時間を利用してトイレに行ったり情報交換をしたりと、それはそれは賑やかなのですが、今日に限っては、自分の持っているドリームカードとプリントをにらめっこして、話し声が聞こえません。

そろばん学習で培ってきた高度な集中力をこんなところで発揮することもあるまいに思うのですが、聞こえてくるのは「やったー」「あー、おしい」という独り言のみ。早速、賞品の交換を成立させている生徒達もいました。

年末恒例のプレゼント交換会は晦日の30日です。

さて、過日の暗算大会が初めての大会出場だった生徒達に、感想文を書くように指示しています。強制ではないのですが、数人が早速提出してくれました。今度の塾報で紹介致します。

大会という非日常の空間で緊張感に包まれた精神状態を、それぞれがそれぞれの表現で書いてくれています。

今から15年前、この大会を立ち上げた当時から私はスタッフの一人として関わりを持ち続けてきています。
生徒の感想文を読んでいくにつれ、1回目の大会時、いくつかの教室に分散して行う形式の大会が果たして無事に時間内に終了できるのかという不安ばかりの船出だったことがまざまざと浮かんできました。

以来、今年までで延べ5000名ほどがこの大会に参加してくれたでしょうか。

暗算力を伸ばしていくのには、身近で手頃な、手の届くところにある「あんざん種目別チャンピオン大会」。もうすぐ会場の天王寺商業は統合されて無くなってしまいますが、是非とも大会は続けていきたいと思っております。

2011年12月13日(火) 新教材準備中

色々と思うところがありまして、現在、教材を一新すべく、時間があれば作問しています。

かけ算の導入プリントは全部でわずか4枚。2桁×1桁から小数の計算まで含んでいます。

完全に理解し、間違いがなくなるまで同じプリントを生徒達は繰り返します。
1枚完結すると、それに合わせた練習問題で力を付け、あるレベルをクリアすると、2枚目の導入プリントへ進みます。これをマスターすると、今度は2枚目の導入プリントに準じた練習問題で、さらに力を付けていきます。

やがて5枚目の練習問題に進んだ頃には、実力は7段を優に越える程度にまで進んでいることになっています。

かけ算の他に、わり算・みとり算・かけ暗算・わり暗算・みとり暗算の5種目も同様の体系で進めるように導入問題と練習問題を順次作成しています。

従来の検定試験対策として作成していた各種の補助問題をそのまま練習問題に取り込むことによって、生徒達が階段の高さをあまり意識せずに進めるような練習問題に仕上げたいと思っています。

教えすぎず、かといって押さえておきたいポイントは一つ残らず収録した導入プリントと、製作目標200回分の練習プリント。新年度の完成を目指しています。

準備が順調に進めば、今月18日の大阪珠算協会主催「珠算指導者講習会」において少しばかり資料配付やご説明ができるかもしれません。

教材作りにおけるモチベーションの維持に欠かせないのは、目的の明確化と教材を使っている人達の姿を思い浮かべることです。

誰のために、何を目的として作るのかという意識がハッキリしていないと、「もう、やめてしまおうか」という気持ちに負けてしまいます。
教材に嬉々として取り組んだり、逆に頭を抱えたりして問題に対峙する生徒や選手たちの姿を想像することで、もうできあがってしまったかのような高揚感を先取りしつつ、ふと我に返って「さあ、がんばろう」という気持ちにもなります。

さらには、ここにこうして書いてしまったということ、これも確実に有言実行のための動機付けにつながっていくのでしょう。

今日は、ドリームカードの当選番号一覧も作成しました。いよいよ明後日の15日、3000個弱の当選番号を発表します。生徒の皆さん、乞うご期待です!!

2011年12月12日(月) 力のつく?そろばん教室キャンペーン

昨日のあんざん種目別チャンピオン大会で、多くの生徒達にとって関係のある対外的な年内の行事はすべて終了しました。あとは、5名の生徒が参加する25日のクリスマスカップ(さいたま市)と、年末の景品引き換えを残すのみです。
12月初旬に暗算検定も終わり、年末までのしばらくの間、じっくりと落ち着いた練習ができるのがこの時期です。

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」というように、年が明けるとまたたく間に時間が過ぎていくように感じられるだけに、なおさら年末までのこの時期が貴重に思えてきます。

現在、珠算1〜3級受験予定者や、段位認定試験受験予定者、あるいは1月末の近畿大会大阪府予選出場予定者は、制限時間を設けずに極力間違いをしないペース、すなわち自分ですべてをコントロールできる速度で計算する練習を行っています。決して速度を上げず、満点を取り続けて自然に速度が上がってくるのを待つ、という練習です。
それでも人間のすることですから、間違いは発生します。

いくら注意をしても、何十何百何千という指先の動きや数字の読み取り、瞬間的な暗記という膨大な作業の中でほんの少し迷いが生じたり、わずかばかりの集中力の途切れで発生する間違いは、防ぐのが困難です。

しかし、桁数の間違いや末位の0の付け忘れなど、判断が必要な場面でのいい加減さによる間違い、すなわち『防げる間違い』は防がなくてはなりません。

そこで今日、久しぶりに復活したのが「力のつくそろばん教室キャンペーン」です。

防げる間違いを防げなかったとき、そういう間違いを犯したことをより深く印象づけるために、生徒達は誤算数に応じて『腕立て伏せ』をします。中学生の女子生徒であろうが、幼稚園児であろうが、区別はありません。

命じられた生徒は「え゛ーっ」という声にならない声を出しますが、中学生がおもしろおかしく始めると、幼稚園児も隣で楽しそうに取り組んでいきます。

腕立て伏せと「腹筋運動」を間違えてくれる生徒が出現してくれないものかと楽しみにしているのですが、今日は残念ながらいませんでした。

こんなことを練習の合間に入れられるのも数日間しか無いのですが、時間的にも精神的にも少しだけ余裕がある今の時期の教室の一コマでした。

さて、とはいえ世間は紛れもなく年末です。スーパーには棒だらや数の子が並び、クリスマスソングがどこに行っても聞こえてきます。授業以外で年末までにしなければならない「to doリスト」を書き出しましたら軽いめまいを覚えそうになりましたが、世の中の皆さんもきっとお忙しいことでしょう。

でもお忙しい中、当教室のホームページやこのアラカルト欄を見てくださっているというお話をここ最近チラホラと聞くようになってきました。何とも嬉しい限りです。

いつも誰か特定の方を相手に想像することもなく書き連ねていますが、少しだけここを訪問してくださる皆様のお顔が見えるような気になってきて、体の中からポカポカしてくるような気分です。

2011年12月11日(日) あんざん種目別チャンピオン大会

表記大会が本日開催されました。成績は近々、大阪珠算協会のホームページで公表されると思いますので、そちらをご覧頂くとして…。
大会前日の特別練習では、大会の練習もそこそこに、会場までの行き帰りや、会場でのマナーについての注意が中心になってしまいました。
大会初出場の生徒が多いこと。私が大会準備のため生徒の引率ができないこと。集合から解散まで生徒にとって非日常的なことが長時間続くこと。
心配してもきりがありませんが、でも心配は尽きません。

折角の大会。技術だけでなく、その他の面でも勉強して欲しいと願うのは欲張りだと自覚しています。

自覚していて、なお改めようとしないのも自覚していますが、開き直って、以下のような文面のプリントを前日に配布しました。

「あんざんチャンピオン大会の行き帰りについての注意
星の郷総合教室

指導スタッフ、保護者の皆様で、50名の生徒を引率します。
行き帰り、事故に気をつけてください。
以下、順不同で注意事項と連絡事項を書いておきます。
(※)は必要な人のみです。
・班ごとに車両に分かれて乗ります。(班は駅で言います)
・行きの切符は星田駅で買っておいてください。(小学生190円・中学生380円)
・昼食は済ませておくこと。
・11時31分か11時37分の快速に乗り、京橋で下車。環状線外回りで「桃谷」まで行きます。
・桃谷駅で先に帰りの切符を買います。切符は班の引率の先生か保護者の皆さんに渡してください。
・電車の中では立っておくこと。大声で話さないこと。小声で話す場合でも、周囲に迷惑にならないような声で話しているかどうかを常に意識しておくこと。
・大勢で移動する場合と、小グループや家族で移動する場合とではルールが違うことを理解しておいてください。
・勝手な行動をしたり騒いだり危険な行動をする生徒がいた場合は、大会開始前に会場で金本まで報告をしてください。参加させず、即座に帰らせます。
(※)即刻退場になるかもしれない生徒の保護者の方は、12時30分頃、連絡のつくお電話番号を生徒に知らせておいてください。
・かばんは自由です。制服の着用も自由です。
・帰りは6時頃、星田駅で解散です。
・大会中、携帯電話の電源は切っておくこと。
・教室では担当の先生の話をよく聞くこと。

大会参加者は400名です。当教室から参加する50名は最大人数です。恥ずかしくない行動、責任ある行動で良い思い出となる大会にしてください。

私(金本)は大会の準備のため、午前10時には会場にいます。何かありましたら、携帯電話にご連絡をお願い致します。」

時間が無くて、伝えたい相手も表現方法もまったく不完全で不確かなままの文章で恐縮ですが、ここで伝えたかったのは、場面・場所によって、ルールが変わることと、参加する限りはそれに順応しなければならないということでした。
子ども達を無事にご家庭にお返しすることが当然であって大前提。そのためには多少の不便や不自由さは我慢してもらわなければなりません。でもそういったみんなのちょっとした我慢が、無事に、時間通りに帰ってこられることにつながり、少しずつ集団の自信にもつながっていくということが心のどこかに経験として残ってくれれば、というのが狙いなのですが、これって欲張りでしょうか。

2011年12月8日(木) 大阪ほんわかテレビ

よみうりテレビ、日曜日の夜遅くの番組「大阪ほんわかテレビ」で当教室の様子が放送されましたのが今年の9月25日でした。
昨日、番組スタッフより来電。年末特番総集編で再放送するのが決まったとの連絡です。本編ビデオを編集するので9月放送分よりは短くなること、もしかすると特番向けに再収録があるかもしれないこと、放送は9割確定していること、以上の3点が主な連絡内容でした。12月25日、午後11時30分からの放送です。

フラッシュ暗算がテレビで取り上げられるようになってしばらく経った頃、「○○しながらフラッシュ暗算」という企画がいろいろな番組で行われるようになりました。「○○」には「カラオケ」「しりとり」「会話」「なわとび」「ジェットコースターに乗る」などが入りますが、やがては「○○」に加えて、フラッシュ2題を同時に出題することも試みられるようになりました。

♪酒と泪と男と女、♪あのすばらしい愛をもう一度、♪三百六十五歩のマーチ、♪時の過ぎゆくままに、♪なごり雪、♪贈る言葉、などなど、覚えているだけでも結構な数の歌をテレビで歌ってきたなと、我ながらひどく恥ずかしいのですが、最近ではプロの小学生演歌歌手と「もしかしてパート2」のデュエットまでしました。

打ち合わせのとき、教室内を眺めながら「どこにカラオケのセットを隠していらっしゃるのですか」と真顔でディレクターに尋ねられたこともあります。

さて、大阪ほんわかテレビでは2画面のフラッシュの映像が中心になるようです。レポーター役のアナウンサーさんにそろばんの基本を伝えているところや、もういいですよ、というディレクターの声を無視してレポーターさんが夢中になって大そろばんを動かしているところは9月の放送でもカットされていました。どちらかと言えば、ここの部分を強調して欲しいところなのですが、なかなかうまくはいきません。相手には相手の都合があります。

そろばん教育のPRになれば、との思いでできるだけ取材のご依頼には応えるようにしていますが、カラオケのどこがPRになるのだ!というまっとうなお叱りの声には、まったくもって弁解の余地はありません。
でも、書くまでもないことですが、歌いたくて歌っているのでは断じてありません。収録時にいつも聞かれることは、「頭の中はどうなっているのですか?」ということです。「恥ずかしさが9割、残りの半分が歌詞、残りが計算で占められている」と答えていますが、いつも放送ではカットされています。

2011年12月6日(火) MBS毎日放送 VOICE

本日、MBS毎日放送で夕刻に放送されているニュース番組「VOICE」にて、去る11月27日に行われました「第60回全国計算競技大会」の様子が放送されました。新聞発表された番組内容は「そろばん大会とともに消える天王寺商業」。
一抹の不安を覚えつつ、録画しておいた放送を見ましたが、やはり思った通りの内容でした。

大会を主催する天王寺商業は、来年度、東商業高校、市岡商業高校と合併し、新しい商業高校として生まれ変わることが決定しています。
そのため天王寺商業高校が単独で開催してきた計算大会をそのままの形で存続させることが困難となったので、第60回大会をもって一端終了し、来年度は形を変え、主催者も変わって実施するということが大会会場でも発表されました。
それが放送では、計算器具としてのそろばんの衰退が大会の衰退につながり、廃止が決定されたかのようなニュアンスで伝えられました。

これがテレビ放送の怖さです。

事実すべてを伝えるのは困難だとしても、少なくとも間違いを伝えてはいけません。

誰もが習っていた時代から比べると珠算学習人口は明らかに減っています。しかし近年は能力開発ツールとしての側面とフラッシュ暗算に代表されるような珠算式暗算能力が広く知れ渡るようになり、学習者が増加している教室や地域が各地にあります。でも、これはすべてがそうだとは言い切れないかもしれませんので、悔しいですが、報道の内容がすべて間違いだとは言えません。

しかし、主催者の学校がなくなることから大会が形式を変えざるを得なくなったという事実を会場で実際に耳にしているにもかかわらず、事実とはかけ離れたニュアンスのVTRを作成し、VTRに沿った方向でアナウンサーにコメントを出させたディレクターの意図には首を傾げざるを得ません。

取材の対象になるには取材する側に予見が当然あるわけですが、その予見が間違っていたり取材対象が方針を転換したならば、予見を訂正するか、あるいは取材を取りやめるしか無いわけです。

予見を無理に押し通そうとして演出という名の「やらせ」が問題になるのは常なのでしょう。きっと。

2011年12月5日(月) プレゼント交換会

毎年恒例のクリスマス景品引き換え。今年は日程の都合で「ドリームカード賞品引換」として12月30日に行います。
ドリームカードとは、出席数や練習成績、本の進み具合などに応じて生徒達が獲得するカードで、毎年3万枚ほど発行しています。名刺大のカードには1番から30000番までの通し番号が振ってあって、12月に当選番号を発表することになっています。

当選数は約3000枚。ほぼ10枚に1枚の割合で当たりを設定し、1年間のご褒美としてちょっとした賞品をプレゼントしています。

1等から5等程度を特賞として特別なプレゼントを準備するのが恒例となっていますが、今年の1等は「デジタルカメラ」にしました。

無くしたり、途中で退塾したり卒業したりして、ドリームカードには欠番が出るのが普通です。何年間か連続して1等が欠番になっていた年があり、生徒達にあらぬ疑い?をかけられそうになりましたので、最近は、適当な日の適当なクラスにたまたま出席していた生徒達に任意の数字を決めてもらって、1番の当選番号としています。

はずれカード10枚につき、赤ペン1本かクリアファイル1枚を進呈しますので、かなり強引に「ドリームカードに空くじなし」と私は主張していますが、果たしてどこまで納得してくれているのかはなはだ心許ない引換日。

でも、嬉しいことも…。

引換日は5年生以上のボランティア生徒に手伝ってもらいますが、がぜん存在感を高める生徒が毎年散見されます。
日常はあまり見られない表情や活躍ぶりに私の細い目を見開かせられるのも実はこの日なのです。

2011年12月3日(土) デビュー

今日は暗算検定でした。初めて検定を受けた生徒もたくさんいます。

10月、本日の暗算検定の申込書配布と同時に、来週行われるあんざん種目別チャンピオン大会の案内も渡しましたところ、初めて大会に出場する生徒がたくさん申し込みをしてくれました。

大会では教室を離れ、初めて出会う先生方の指示を聞きながら行動しなければなりません。珠算学習を始めて間もない生徒達にはなかなか大変な作業です。そこで、今日の夕方、特別練習を行いました。大会の進行の説明とマナーについての注意、そして練習が本日のメニューでした。

午前中に暗算検定を受けた人達が初めて目にする大会の模擬問題。暗算検定では12分で問題数計75題。程度の違いこそあれ、大会ではかけ暗算・わり暗算それぞれ100題、みとり暗算50題を各5分で計ります。

息つく暇も無いペースで答を書き続けなければなりませんが、初出場の生徒達は最初からそんなペースではできません。でも、気持ちだけは息つく暇も無いようで、初出場の生徒達は1種目が終わるだけで、頭がオーバーヒート気味なのが見て取れます。3種目を計り終わって交換審査をする頃には疲労困憊で、審査に多大な時間がかかっています。

一方、中上級クラスに出場する選手達は、倍以上の桁数の答え合わせもあっという間に済ませ、同点決勝問題の練習を今か今かと待ち構えています。

特別練習は1時間で終了。ぐったりしている初出場の生徒達と、練習が2時間あるものと勘違いして新しい鉛筆を準備している数名の上級生の選手達。

見事なコントラストです。

意気揚々としている選手達には来た道、疲れ果てている生徒達には行く道が教室の中央で交差しているように見えました。

日頃の積み重ねが、計算力だけではない様々な能力を間違いなく確実に高めていくという事実を垣間見た特別練習でした。

特別練習は来週土曜日もあります。

2011年12月2日(金) 笑顔だけ

当教室への入会には体験授業を受けて頂く必要があります。

当教室の体験授業は、普段の授業に体験的に入るというものではなく、私とお子様、そして保護者の方の三者のみによる一日目の授業です。マンツーマンで手首の動かし方や指使いを念入りに指導し、チェックしていきます。
その間、保護者には、お子様の隣でじっと見守って頂いています。初めての場所で初めて接する大人、初めて吸う空気にお子様がどのように対応していくかを見る機会は、そう多くはありません。せっかくの機会ですから、色々とアドバイスをしたい気持ちをグッとこらえて頂くことにしています。

体験はマンツーマンを原則としていますので予約が必要ですが、授業の見学はいつでもできます。すでに通塾している生徒の保護者もいつでも見学できます。
通常の授業を見学して頂くことが目的ですから、私が見学にいらっしゃった方と話し込むことはありません。決して無視をしたくてしているわけではないのですが、忙しくて結果的に一言も話せなかった、なんていうこともしばしばあります。

そんなとき、見学に来られた方の中には、私に不信感すら抱く場合もあることでしょう。

でも、本当に片時たりとも採点の手や指導の口が休まることがない時があるのです。

小一時間の見学の後、「申込をしたいのですが…」というお申し出を頂きますと、体験授業日を設定します。その際、体験日の持ち物を尋ねられた折りに私が答えるのが、冒頭の「笑顔だけ」という言葉です。

初めての場所。ただでさえ緊張しているのに、指導スタッフは忙しく動き回って見学者のお相手をする暇もありません。そんな非礼・無礼のお詫びの気持ちも込めての「笑顔だけ」なのですが、言われた瞬間は意味がわからなかった皆さんが、やがて言葉の意味を理解すると、それまでの固かった表情がじんわりとにこやかになっていく瞬間を見るときがあります。

それはまた言葉の持つ力を実感するときでもあります。

2011年11月30日(水) 珠算式暗算に関して思うこと

珠算式暗算を習得するにあたって最初に必要なのは、「数字をそろばんの珠に置き換える意識を持つ」ことです。

8+3という計算。小学1年生の算数では簡単に書くと「8はあと2で10。3を2と1にわけて、11を求める」と習い、やがては瞬間的に答えが出るようになります。
一方、一つの位で9までしか表せないそろばんでは「3はあと7で10になる」ことを利用して、珠を操作します。そう、そろばんを使った計算では、計算、というよりも、計算のために珠の操作をすることが中心になります。

暗記による計算ではなく、操作による計算。これが可能になるのは、そろばんの珠では具体的に一珠1つで1、一珠3つで3と、目で見てわかる分量に置き換えることに要因があります。もちろん、具体物とはいえ、五珠や十珠は、一珠と同じ大きさなわけですからそこには珠の位置や動きによって五珠・十珠を区別する約束がありますが、生まれて初めてそろばんを目にした人が、わずか数分で理解できる約束ですからたいしたことはありません。

1と3、合わせると4。1と3の数字そのものが合わさっても4にはなりませんが、珠1つと3つが合わさると4つの分量として認識されます。訓練していくと、9+7も83+62も719−527も、すべてそろばんの珠の操作を頭の中のイメージでできるようになります。最初は曖昧模糊で漠然としたイメージにしか過ぎませんが、練習を重ねてイメージの強化をしていくと、やがては「漠」から「確」に変化していくのです。
向上心のかたまりである生徒の皆さんは、目標という山を一つ越えればまた次の山を登ろうとして、常に一歩先の困難を克服しようとしているため、日常的に「確」を実感できないかもしれません。が、時には立ち止まって来た道を振り返ってみると、明らかに以前とは違う自分を発見できるはずです。

残念ながら「暗算が苦手」という人が多いのは事実です。そろばん学習経験者の中にも結構いらっしゃいます。できる人との比較や、到達したい目標と、自分の現実とのギャップからそう断ぜざるを得ないのでしょう。
でも気を取り直して、もう一度、珠を想像するところから始めてみませんか。そして、「計算」ではなく珠を「操作」することを想像の世界で楽しんでみませんか。

当教室で行っているフラッシュ暗算の練習では、最初の段階で、数字が珠に変換され、イメージ上で珠が動いているかを徹底的にチェックします。いくら合格点が出ようとも数字を数字として暗記している間は合格とはなりません。

低年齢の生徒が比較的容易に暗算の世界に入っていけるのは、記号としての数字を使って暗記的に計算することが体に染みこむ前に、分量としての珠を知り、イメージで操作することに抵抗なく入っていけるからです。

一端知ってしまった数字を封印する一番の薬は、高速暗算をしてみたい、という強いあこがれです。

これ、ホノルルのビーチを闊歩する姿を想像して体作りに励む、というのとちょっとだけ似ています。

2011年11月28日(月) 拍手の多い大会

昨日の27日、大阪市立天王寺商業高等学校において、第60回全国計算競技大会が開催されました。今年学校創立100年を迎えた「天商」は、来年度から東商業高校、市岡商業高校と合併し、大阪ビジネスフロンティア高等学校として生まれ変わるため、その名前が消えます。同時に、天商主催の計算大会も今年が最後となりました。

大会は多くの参加者が集まって盛大に開催されました。

各地で開催される大会には、それぞれ特徴があります。競技内容や参加者の技術レベルと年齢層、会場の広さ・設備などの諸要素が織りなすハーモニーがそれぞれの特徴を生み出すのですが、計算大会のそれは、一口で言うと『大人の大会』という言葉に集約されるかもしれません。

さらに昨日の最終大会には、「暖かさ」という要素が加わっていたようにも思いました。

通常、「盛大な拍手をお願い致します」というアナウンスに促されての拍手はあるのですが、昨日の大会では、そんなアナウンスが全く不要で、自然に拍手が多く生まれていたように感じました。特に、表彰で呼び出される選手名が発表されるたびに起きた拍手は、最初から最後までいっこうに衰える気配のないものでした。

開会式での学校長の挨拶や、ご来賓のご祝辞は、決して通り一遍のものではなく、どれもご自身の言葉として発せられていることが会場全体に伝わっていたことも、昨日の雰囲気の呼び水になっていたと思います。

2週間後には、またまた天商で、一般社団法人大阪珠算協会主催による「あんざん種目別チャンピオン大会」が開催されます。今年の参加者は全国各地から400名。実力に応じて細かく分けられた部門でそれぞれの力を試す大会です。

今日から頭を切り換えて、名簿作り・成績処理・賞状印刷などなど下準備に入っています。

今週末は暗算検定、2週間後はあんざん大会、3週間後は講習会、4週間後は埼玉県で大会、5週間後は、……来年です。
うかうかしているとまたまた知らない間に一歳年をとりそうです。

2011年11月26日(土) 断捨離もいいけれど……残しておくことも捨てがたい

過去の塾報をネットで公開することについて、このコーナーで書いたことがあります。
公開理由の次に、「でも、残っていないものもある」と続けました。
すると、今日、その文章を読んだ当教室の指導スタッフ(生徒の保護者です)が、これまでの塾報をまとめたファイルを持ってきてくれました。
驚きなのは、塾報のみならず、今まで当教室で配布したすべての資料、例えば大会の参加案内や抽選券の当選番号、子ども(生徒)の検定試験受験票に加えて、うちの子どもが幼児の時に遊びで書いて渡した手紙等々、すべてが日付入りできっちりと整理されていたことです。おそらく紙ベースのもので無いのは、鼻水を拭き取ったティッシュくらいではないでしょうか。

これは、才能です。

いつも物が周りにゴチャゴチャしていて、片付けるといえばどこかにものを隠すことだと思っている私には、ガチャガチャにならないように初めから物を整理できる人は、もうそれだけで十分尊敬に値する人なのです。

それだけではありません。
生徒がそろばんを弾く際、必要以上に手首が動かないようにするために、何か矯正器具はないものだろうかと相談したところ、翌日には机に取り付ける器具を試作。さらに数日後には、手首に巻き付けるバンド式のものも試作してくれました。『巨人の星』の大リーグボール養成ギブスのむこうをはる傑作、に、近い、と思います。

教室のレイアウト、問題管理、生徒の動線など、機会があればスタッフにすべてプロデュースしてもらおうかなと、今密かに計画しています。

2011年11月24日(木) まゆ毛の太い、こわいおじさん

いくら説明しても反対のことをする人がいます。

学習塾をしていた頃、○×式問題のほとんど全部を反対で答え、三択はことごとく外してしまう男子中学生がいました。ある時、○と思ったら×を選び、3番が正しいと思ったらそれだけは外して選ぶようにと試させたところ、正答率が急上昇。
得点は上がるものの理解に結びついていないところが悲しく、しかも、これだ!と思ったことだけは選んではいけないのはかなり勇気がいることでした。

中学1年英語の一般動詞を使った文の疑問文。幾通りかの説明を試みるもらちがあかず、「is・am・areがなかったらどつく(Do付く)」と言ってみたところ、ようやく目を輝かせたこの生徒。間違ったことが覚えられるのなら、全く同様の難易度であるはずの正しいことを覚えれば楽なのにと、生徒と二人、真剣に悩んだことがあります。

わり算の答を立てる場所やかけ算の九九をたしていく場所を適当にして間違える生徒がいます。
そんな生徒との会話。
「教室からの帰り道。角を曲がったらまゆ毛の太いこわいおっちゃんが待っていて、『こらーっ。なんで適当にやってしまうのだ!』と大声で言われたらどうする?」

コンマと小数点の向きを間違える生徒との会話。
「家に帰って玄関を開けると、まゆ毛の太いこわいおっちゃんが待っていて、『こらーっ。コンマと小数点をどうして反対に打つのだ。えーっ、どうしてだ?』と叫ばれたらどうする?」

足し算を間違えて引いてしまった生徒との会話。
「便器のふたを開けると、まゆ毛の太いこわいおっちゃんが待っていて、『こらーっ。貯金してるのにお金が減っていくとはなにごとだー!』と泣かれたらどうする?」

7×6を49と答えてしまった生徒との会話。
「弁当箱を開けると、まゆ毛の太いこわいおっちゃんが入っていて、『こらーっ。7×7の立場はどうなるのだ!』と真顔で叱られたらどうする?」

「まゆ毛の太いこわいおっちゃん」シリーズ。効果のほどは定かではありませんが、とにかく印象づけるために時々まゆ毛の太いこわいおっちゃんに助けてもらっています。

が、この薬、効果は不確かですが副作用が強いのは確かです。言われている本人は、覚えなければならないことはそっちのけで、「おっちゃん」の図柄が頭の大部分を占拠し、説明はうわの空。周囲の生徒は、理不尽で得体の知れない不気味さを安全地点から眺める気楽さで、ニヤニヤ。

空気を入れ換えるのに苦労します。

2011年11月23日(祝・水) そろばん大阪一決定戦開催

無事、大会が終了しました。
この大会、多くの選手が満点を目指していることは以前にも書きましたが、小学4年生以下で34名、5・6年生で18名、中・高校生で9名もの満点獲得者が出ました。近年まれにみる激戦です。
さらに、難易度の高い同点決勝問題でも、小学4年生以下で満点が4名、1失点も4名。小学5・6年で、満点が1名出ました。これらを記録した選手たちが所属する教室が複数に及んでいることから、明らかに大阪の珠算レベルの上昇が見て取れます。

小学5・6年生の部の会場に入ってまず驚いたのは、参加者数の増加によって、まるで通路にまで机が並べられているのかというくらい、通路が狭かったことです。幅は20センチも無かったでしょう。委員の先生方は何かあったときの動線のことを考えて、机をくっつけて通路の幅を確保されるという窮余の策を講じて下さっていました。

立錐の余地の無い大会会場。…壮観でした。

大会に向けて努力を重ね、創意工夫をし、試してみる。試した結果、新たな課題を発見したり反省をしながら、またまた明日への策を練る。

参加者は勿論のこと、指導者も、運営者も、それぞれの立場でそれぞれが何かをつかみ、次につなげていく。これが大会の意義です。

と同時に、ともすれば結果にのみ意識も関心も目先もとらわれがちなところですが、子どもたちの日々を知る者たちこそ、結果と同じ比重で日常を見つめなければなりません。そういう意識を新たにさせてくれる力を持つのも大会なのです。

2011年11月19日(土) そろばん大阪一決定戦

23日の勤労感謝の日に行われる「平成23年度そろばん大阪一決定戦」(一般社団法人大阪珠算協会主催)に向けて、今日の夕方、出場選手による特別練習を行いました。

総合競技では大会に参加する多くの選手が満点を目指せる問題設定となっているため、とにかく失点を防ぐことに最大の目標が置かれます。

速度を上げて計算し、全問題検算することを目標にする生徒。
確実に丁寧に制限時間をいっぱい使って計算する生徒。

だいたい、以上の2つのパターンに分かれますが、速度がある生徒は検算の方法を色々と工夫し、2回3回と見直していきます。

満点を目指す競技では、検算をする・しないにかかわらず、数字の訂正も含めて、最初の計算で「一回も書き直しをしない」という強い決意を最後まで持ち続けることが大切です。
「失敗すれば書き直したらいい」「不安なところは見直せばいい」という気持ちで臨むと、どこかに小さなほころびができてきて、やがては大きな失敗につながっていくものです。そしてその大きな失敗は、たいていもっとも起きて欲しくない時、すなわち『本番』で出てくるように、なぜだか目に見えない大きな力に仕組まれているようなのです。

頭のてっぺんからつま先まで、ピーンと張り詰めた緊張感の中で神経を研ぎ澄まし懸命に取り組む。

『脳に汗をかく』そろばん学習の醍醐味の一つが競技会。是非多くの人達に体感して欲しいと思っています。

2011年11月18日(金) ああ、おもしろい

毎日のように起こるおかしな出来事。別段、特に芸達者ではない生徒達が真剣に取り組んでいるからこそ起こるリアルなハプニングは、それだけで場の空気を和ませてくれます。
予期せぬ出来事の大半は勘違いによるもので、勘違いはそのままこちらの説明不足、言葉足らずによって起こるものに他ならず、よって責任は指導者側にあります。

ある女子生徒。そろばんを机の上部、問題を机の下部に置いてみとり算の練習をしていました。「○○さん、そろばんが反対ですよ」と注意をすると、何を思ったかそろばんの天地を反対にして持ちました。五珠が手前に来ているわけです。
昨日今日始めたばかりならいざ知らず、習い始めて1年も経とうかという時になって、まさかまさかの行動です。確かに「そろばんが反対ですよ」という注意は正確ではありません。正しくは「問題とそろばんの位置が反対ですよ」と言うべきなのでしょうが、そこはそれ、相手もことそろばんの持ち方に関してはベテランの域に達しているはずなので、十分通用すると思い込んでの言葉足らずなのでした。

「まずは5円を置いて」という説明に真顔で「今持っていません」と答えてくれた生徒。…好きです。

眠くてたまらずそろばんの上に突っ伏し、しばらくして起き上がったおでこにくっきりとそろばんの珠を151円浮かべて、珠算式暗算の神髄を見せてくれた幼稚園児。…大好きです。

15年ほども昔になります。日本商工会議所・日本珠算連盟主催の全国大会「国民珠算競技大会」の出場人数が縮小され、やがて廃止されることが決定した時、知り合いとタクシーの中でこんな会話をしていました。
「国民が減らされるらしいぞ」「そのうち『国民』はなくなるなぁ」
運転手さんは言葉を額面通りに受け取ってしまって、大笑いしたことがあります。

土台部分の認識が共通でないと会話が成り立ちません。共通化する作業をないがしろにしたままで、わかってくれるはずだという思い込みから抜け出せずに、苦労をしていることのなんと多いことでしょうか。

授業中、生徒が「先生、オシッコ」。わざと土台をずらして「先生はオシッコではありません」
「オシッコに行っても良いですか」「ダメです。トイレに行きなさい」

こんな会話を時間をかけて引っ張りすぎるとボーコー罪になります。

2011年11月17日(木) 気になりますか?

教室開設当初は、2月の確定申告受付開始日頃に慌てて1年分の領収書やレシートをパソコンに入力し、申告締め切り日ぎりぎりになって税務署へというパターンでした。毎年数日は徹夜になっていることにようやく懲りて、最近はちょっとまとまった時間ができた時にチマチマと領収書類の整理をしています。

10月初旬に講習会で北海道を訪れた帰りの新千歳空港。待ち時間の間に夕食をと思い、空港内のラーメン屋さんに入りました。さすがは北海道。数軒がズラッと並んでいてなかなか壮観です。
もとよりこだわりはありませんから、一番出口に近い店に入り、「おすすめ」と書かれたネギチャーシューメンを頼みました。商品を覚えていたのではなくて、今整理しているレシートの束から見つけたのです。それが上の確定申告とつながるのですが、今回は思い出してしまったラーメン屋さんの話です。
壁に向かって座り、待つこと数分。後ろで「クシュン」、しばらくしてまた「クシュン」。何気なく振り返ると、店員さんができたてのラーメンを持ったまま立ち止まっています。折しも前日から急激に冷えた札幌です。くしゃみの一つや二つ、何ら珍しいことではありません。もちろん気に留めることもありません。そのラーメンが私の前に運ばれてくるまでは…。
その瞬間を見たわけではありません。しかし、鼻水をすする涙目の彼はくしゃみをしたまさにそれでした。せめて顔は背けていただろう、いや、背けていてくれたはずだ、背けないはずがない、と懇願に似た気持ちになりつつ、披露宴の時、食べている途中の皿からちょっと目を離した隙に「お下げして良いですか?」と尋ねられても「まだ食べます」と強く言える人ならここでラーメンの作り直しを命じることができるのだろうな、とか、熱湯消毒されているから大丈夫だろうとか、とにかく複雑な心境で、結局、食べました。
くしゃみをした人物とその場面を特定できない限り、文句を言えばただの言いがかりだといわれればそれまでです。
私が店長であれば、こんなことが気になる私はたぶんくしゃみの音があればすぐにそちらを見、疑念をもたれるようなことが起きる前にだまって作り直しをします。でも、くしゃみがかかろうが店員の指がスープにつかろうが、調理場にゴキブリが這いずり回っていようが気にしない人には過剰反応なのでしょう。

「レジ袋を使わなければ2円値引きします」ということで、昨日ノートを2円引きにしてもらいました。支払い済みの印にテープを貼ってくれる店員が、ノートにテープのはがし残りで出るのを防ぐため、「テープの粘着力を弱めておきますね」と言いながら指先を素早くテープに複数回くっつけてははがす動作をし、ノートに貼り付けてくれました。粘着力を弱めるために店員さんの皮脂が使われ、それが新品のノートに貼り付けられるわけです。店員さんのDNAがたくさん目に見えるようでした。
そのノートを使ううちの息子は何にも知らずにランドセルに入れて嬉しそうに持っていきましたから良いのですが、これって気になる人には気になることなのでしょう。

レジで卵をカゴに投げ入れる店員さんもいました。店員さんの無神経さをとがめるべきか、それでも割れない卵の根性を称えるべきか。

人生は価値観の選択に明け暮れるものなのでしょうか。

2011年11月16日(水) 塾報103号

昨日書いた「昔の塾報」。色々と探しているうちに、3年ほど前に新聞風に作成致しましたものが出てきましたので塾報コーナーに掲載致しました。
検定試験前の特別練習の内容について触れておりましたので自分自身が忘れないためにも恥を忍んで再掲載しておこうと思います。
塾報には、発行当時の教室の雰囲気や私のテンションがさらけ出されています。103号はワープロのレイアウト枠と時間をたくさん使ってちょっと変わった塾報構成をと目論んでみたのがありありという号なのでした。
所詮は小手先のことに堕してしまったという反省が今頃になって猛烈に出てきているのですが、来た道よりも行く道に目を転じて気を取り直そうと思います。
今年10月の日本珠算連盟段位認定試験の受験者は39名でした。塾報103号によると受験者は21名となっていますから、この3年間で倍近くになっています。
刷りためておいた練習問題があっという間に無くなっていくはずです。

基本的に当教室の教材費は無料です。何時間練習しようが、どれだけ問題を使おうが無制限クラスに申し込みしていれば授業料は一定。ただし、教材の無駄遣いや落書きが発覚すると翌月のみ教材費が525円かかるというシステムです。練習問題の在庫を抱える場所が無くて、分速100枚超を刷れるインクジェットプリンターを導入し、必要枚数を即座に打ち出す方式に変えたまでは良かったのですが、その機械が大きすぎて、教材の在庫のほうが場所を取らずに済んだというのはとんだ計算違いでした。
フルカラーで製本機能付き。使いこなせられれば機械の大きさにも目をつむれるのですが、まだ目はカッと見開いたままです。

2011年11月15日(火) 塾報作り

開校当初から月1回の発行を続けている塾報「Star EXPRESS」。25日の発行に向けて、少しずつ気持ちの準備を始めるのがちょうど10日前のこの時期です。
予定や試験・大会の結果、大会や検定の案内、出席の多い生徒の紹介などなどの定番ものに加えて、その折々に感じたことや新しい教材を採り入れたこと、ご家庭の皆様に伝えておきたいことなどなどを書いた、このアラカルトもビックリの、「文字だけ」の塾報です。
書いた本人しか覚えていないだろうな、とは思いつつも、一度書いたことは恥ずかしくて再掲載はしてこなかったつもりです。しかし、それは不親切だということを不覚にも最近になって初めて知りました。
例えばずいぶん昔、何回かに分けて書きました「珠算の効用」。たしか開塾直後の頃だったように思いますが、当時の生徒はみんな卒業してしまっています。年の離れた兄弟が現在数名在塾しているとしても、保護者の皆様もそんな昔の塾報の内容なんて覚えていらっしゃらないでしょう。
でも私は内容は忘れてしまいましたが、書いたことは覚えています。ですから、もう書かない、いや、書けないのですが、先日、お迎えにいらっしゃったある保護者との会話で「そろばんの効用について塾報でも書いたことがあるのですが…」と話す私に「その塾報、残っていれば見せて頂けますか。あるいはもう一度書いて頂けませんか」と、保護者。私個人には過ぎ去った過去であったとしても、その塾報の発行以降に入会して頂いた皆様には過去ではなかったのでした。

こんな時こそ、ネットの出番なのかもしれません。過去の塾報を片っ端から掲載するという手が…。

でも、自宅や教室で使えるようにとすべてのデータを入れていたUSBメモリーは、あるとき「エラーを自動的に修復しますか」というパソコンのメッセージにまんまと乗っかってきれいさっぱりに修復という名の破壊に遭ったり、パソコンに挿されたUSBメモリーに生徒が激突してひん曲がったりして、残っていないものも結構あります。

「書いたことを何となく覚えているが中身は覚えていない」という状況。使い古されたレジストリのようで、何となく悲しいものがあります。

2011年11月14日(月) そろばん大阪一決定戦

一般社団法人大阪珠算協会主催の「そろばん大阪一決定戦」が今月23日に大阪商工会議所で開催されます。協会主催としては毎年最大の参加者がある大会で、今年は小学4年生以下164名、小学5・6年生183名、中高生98名の計445名が一堂に会します。
ここ数年、私は記録係として成績処理を担当させて頂いており、昨日、パソコンで処理をする下準備をしました。当日、成績入力箇所は選手一人あたり11カ所ありますから、445名分として4895カ所の点数を入力しなければなりません。午後1時に開会し、1時30分頃から第一種目の入力が始まり、1時間半ほどですべての入力を完了しなければなりません。順調にいったとして、1分あたり54カ所の入力ですから、1秒あたり1カ所。機械のようにテンキーをたたき続けなければなりません。
パソコンでの処理を始めた数年前。1台のパソコンで上のような処理をしていましたが、今では3台ほどで作業を分担するようになり、ずいぶん楽になりました。
また、この大会は選手の多くが満点を目標にできるような問題設定となっているため、ある年から、あらかじめ全選手の入力箇所に100点を入力しておくようにしました。そうすることで、当日の入力作業を減らすことができるわけです。100点でないところだけ打ち替えるのです。
答案を1枚ずつめくって参加番号を確認しつつ点数を入力するわけですが、作業が中断しがちなのが欠席者の番号にあたった時です。一瞬、「ん?」となり、点検のためにリズムが崩れていくのです。その防止策として、欠席者の答案も得点欄に「欠席」と記入して出席者の答案の間に入れておいていただくシステムになりました。得点欄も答案を少しだけめくれば見えるような位置にしてあります。選手の皆さん、当日のスムーズな進行のためにも、是非、「欠席者ゼロ、失点ゼロ」を目指してください。
何十年も各地で続いてきている競技大会。システムとしてはできあがっているのですが、それでもどこか縮められるところはないかと毎回探りつつ、改善できるところから手を付けています。まさに「ちりも積もれば…」の世界ですが、時間との勝負なのが競技大会です。11月下旬ともなると、陽が落ちるのが一段と早く感じられるようになるため、なおさら、終了時刻は守りたいものです。
競技の進行、審査、成績処理、賞状発行などなど、すべての部門において正確に正しく早く処理をするのが最大で唯一の目標です。この目標、実は選手達も同じですから、23日は大阪商工会議所全体が「正しく早く処理する雰囲気」に充ち満ちているはずです。

2011年11月13日(日) トップページの写真

そろばんは両手で弾く、なんていうと驚く人も多いのですが、本当のことです。
当ホームページのトップページの写真。今年の夏合宿の時に撮影したものですが、大きさの調整がうまくいかず、小さいサイズのまま貼り付けてしまったところソフトが勝手に複写しました。面白かったのでそのままにしています。
写真には左手を使っている様子が写っています。ご覧になった方から「はて、何のために左手を?」というご質問がありましたので書いてみます。
基本は、右手の援助のために左手を使う、ということになります。弾き間違いを修正したり、珠が中途半端に浮いているときに元に戻す役割をします。また、みとり算での繰り上がりを左手が担当したり、わり算の商を左手で置いたりもします。
左手で商を置く時は、商を左手で置きながら同時に右手で引き算を始めることで時間の短縮を目指します。練習を重ねると、右手で引き終わる前から左手で次の商を立てることもできるようになります。また、そういった意識で左手を使おうとすると商を考える時間がどんどん短縮されてもいきます。
もっと高度になってくると、左手は商を置くだけでなく右手の担当だった引き算にまで活動の領域が広がってきます。
かけ算でも繰り上がりを左手が担当します。高度になってくると、少し先の計算過程を暗算で見通せるようになってくるため、暗算で計算した結果を両手で置いていくこともできるようになります。

2011年11月12日(土) J1練習−その3

J1練習への初参加は、交換審査のデビューでもあります。それまではすべての答案をスタッフが審査し、必要であれば指導してきましたが、J1では仲間と答案を交換して採点していきます。

「誰と誰が交換する」という決まりはありません。計算の終了時間が近い生徒同士があうんの呼吸で勝手に相手を探し出して交換していきます。まだ計算している生徒もいますから、邪魔にならないように気をつけながら振る舞っています。たまに、計算中の生徒の顔の前で交換しようとする生徒がいますが、そんなときはスタッフから即座に注意を受けます。一度の注意で直らなければ何度でも注意を受けます。平気で人の前を横切るものではない、という礼儀をここで初めて覚える生徒もいます。
交換の終わった生徒は解答集を取りにスタッフのところに来ますが、そこでも自分一人分だけを取ろうとするとまたまたスタッフから注意を受けます。そうして奥の方に座って取りに来づらい交換相手の分を一緒に持っていくという配慮を覚えます。

初参加の生徒はまだスピードがついていないため、自分がようやく計算終了したころには、たいていの生徒がすでに終わっていて、間違い直しや前に書きました「暗算チャレンジ」に入っています。タイミングが悪いと交換相手がいないこともあります。そんなとき、J1の「先輩」たちが助け船を出します。大げさに言えば、右も左もわからない今の状況を切り抜ける知恵を「先輩」たちが伝授しているのです。

また、自分から動けず、目で訴えかけてくる生徒もいます。そんな場合、基本的にはスタッフに無視をするようにお願いしてあります。そろばん教室で、指示通りに動かないからといって身体が危険にさらされることは通常ありませんから、無視をしたところで大事には至りません。

最初、目で訴えていた生徒は、暗黙の訴えをあきらめて、やがて腰を半分ほど上げ、行動に移しかけ、そしてついに意を決して動き出します。そしてぎこちない動きとたどたどしい口調で意志を伝えようと努力します。

『脳に汗をかく』そろばん学習では、前向きな気持ちを持つことと、進んで動くことが汗をかくために絶対に必要な条件です。もっといえば、そろばん学習に限らず、これらは心身の成長にも大切な栄養素となるでしょう。

そろばん教室では、自分から進んで動くことの大切さを覚えて欲しいと思いますし、また、自分から動いて得た情報は身につきやすいということも覚えて欲しいと願って、以上のような対応をしています。

2011年11月12日(土) J1練習−その2

J1練習の場所は、指導スタッフの真ん前です。計算終了の返事に、スタッフが即座に計算時間を告げる必要があることと、J1練習で悪い癖を発見し、修正するためです。
入会日に手首や指の動きをマンツーマンで指導しますが、それでも少し経つと「自分らしさ」が出てきて、リズムを取るために鉛筆を微妙に持ち替えたり指先をもぞもぞさせたりするといった、無駄な動きが出てくる場合があります。
J1は30題の中で2桁の数字を150回足したり引いたりします。これだけの回数もあると、いろいろな癖は出尽くします。気付いたことは計測中に指摘しますが、癖はなかなか自分ではわからないもの。指摘されても、それがいったい何のことかわからずに生徒が首をかしげることもしばしばです。
そこで有効なのがビデオ撮影。計算している様子をスタッフがビデオに撮影し、即座に本人に見せます。具体的に問題点を指摘し、修正するために何が必要かを伝える場合もあります。
するとどうでしょう。「百聞は一見にしかず」とはまさにこのことを言っているのではなかろうかと感心してしまうくらい、改善されていきます。
ずいぶん昔、少年野球チームに所属していた私。左中間をわるヒットにセカンドからサードを回ってホームベースまであと数メートルというところにいた私に監督がベンチから大声で「かえれ、かえれ!」と指示をしてきます。なぜだ、といぶかりながら、サードベースに向かって引き返す私。小学3年生の私にとって、「かえれ」というのは元の場所に戻ること、監督の「かえれ」とは「ホームに帰ってこい」ということだったのでした。お互い頭に血が上った状態での会話は言葉の一歩も二歩も先を感情が走っているため、どうしても言葉が不足しがちなのです。

計測中の指示は伝わりづらいこととわかっていながら、それでも同じ失敗を繰り返してしまうのが常の私にとってビデオは必需品となっています。

2011年11月11日(金) J1練習

初歩教材PERFECTが4まで終了すると「J1」というみとり算の練習が始まります。「J」はjuniorの頭文字をとったもので「さあ、いよいよ本格的にそろばんの練習が始まるよ」というスタートの意味で名付けました。
全部で45題ありますが、生徒達が計算するのは30題分です。残りの15題は早くできる生徒と時間がかかる生徒との時間調整的な目的と、3桁の数字に早くなれるためという目的で作ってあります。
初めて参加してできたタイムがとりあえずその生徒の最高タイムとなります。そしてそのタイムに40秒を足したタイムを限界タイム、すなわち足きりタイムとします。
2回目以降、生徒達は最高タイムの更新と失点を0に近づけることを目標に、指を止めず、無駄な動きを排除することを意識して取り組みます。
同じ練習をしている生徒達が近くに座って、一斉に「よーい、はじめ」。
それぞれの足きりタイム以内でできた生徒達の中から最少失点の生徒が優勝、その時の参加人数に応じて準優勝や2位を決める場合もあります。
短いタイムでできた人がいつも優勝するわけではなく、例えば足きりタイムが4分の生徒が3分で計算終了し2失点、足きりタイムが10分の生徒が9分59秒でできて1失点なら、後者が勝ちとなるルールですから、誰にでも優勝するチャンスがあります。
指導者側が生徒にこの練習を課す目的はもちろん優勝者を決めることのみではないのですが、生まれて初めて自力で「優勝」を勝ち取れた生徒がいきなりその日を境に大きく飛躍する様子を見たりすると、この練習がきっかけ作りの一つになっているという実感はあります。過度の競争をあおることは厳に慎む意識を持ちつつ、ですが。
30題の総字数は300字。多くの生徒達が練習を重ねるうちに5分程度で計算できるようになります。分速60字は、なんと、日本商工会議所の珠算能力検定試験3級のみとり算を計算するのと同じ速度です。たしざんや引き算のやり方を覚えたての生徒達が3級と同等の弾く力を手にします。
また、実物のそろばんをぱちぱちと弾くのは、実は暗算の練習に直結していますから、自然に暗算力がついていくのもこの練習の長所。指が速く動くにつれてスムーズに暗算力が養成できていきます。次の珠の動きが実際の指の動きよりもホンの一瞬だけ早く頭の中で予測できたり、動かし終わった珠の間違いを修正できたりするようになることで、暗算力が育ってきていることがわかります。
採点終了後、生徒達は「暗算チャレンジします」と宣言して指導者の前で暗算で数問計算をします。指導者は、正しく珠算式暗算でできているかを判断し、正答すればJ1卒業。晴れて、かけ算・わり算の練習が始まります。
ただし、かけ算九九を完璧に暗記しているというのが前提ですが…。
なお、J1の問題は「珠算指導事例tips」のホームページから自由にダウンロードできます。(tipsのホームページではJ1は「初歩卒業問題」という名称となっています)

2011年11月9日(水) みとり暗算

透明のそろばんをあたかも本物のそろばんと同じようにして想像し、計算していく珠算式暗算。珠算式暗算においては例えば「1+1」のような計算でさえも暗記する必要はなく、そろばんの一珠を一つずつ上げるところを「想像」します。この「暗記しなくて良いところ」が、珠算式暗算が、速く、そして大きな桁を処理できる最大の理由ですが、そのためには訓練が必要です。
キリンや象を一目見ただけで、似ているか否かは別にして、誰でも思い出しながら首や鼻の長い生物の絵を描けます。一目見ただけだと、多くの人が描けるのはここまでですが、毎日キリンや象の世話をしていたり、好きで見続けている人はもっと細かなところまで描けるようになってくるでしょう。
珠算式暗算においても同様のことが言えます。最初は何となくぼんやりとした映像でしかなかったものが、練習を続けていくうちに、よりはっきりと、より大きな桁へ、より長い時間、より速く、動きを持った映像として頭の中に保持できるようになってきます。
どれだけの練習をしていけばどのような珠算式暗算能力を獲得できるかというと、こればかりは明確な答は残念ながらありません。人間はみんな違います。違っていて良いのですが、ただ一つ言えることは、練習を続けることで、今の自分の実力は一ヶ月後にはハッキリと過去のものになっている、と実感できるという点です。

さて、たしざんやひきざんがいくつも続くみとり暗算は、想像上の珠を動かす回数や映像の保持時間が長くなるため、どうしても間違いが増えやすい種目です。15題計算して間違いが10題も、なんていうことは珍しくありません。
そろばんの問題では、いわゆる「部分点」のようなものはありませんから、例えば一つの問題に数字が30個でてきて、そのうち1つでも見間違ったり計算違いをしたり、あるいは像がぼやけたりするとすると間違いになってしまいます。30個の数字を一瞬見て、即座に脳に伝え、想像上の珠をほとんど無意識に動かしながらほぼ同時に次の数字を見ていき答を導き出すという膨大な作業をしていく中で一つだけのミスでバツがつきます。99パーセント正しいことをしていてもバツはバツなのです。
そう考えると、15題中10個間違えてしまった、点数で判断すると正答率は3割3分…ということが実は一見正しい判定のようであるものの、実はそれがすべてを表しているわけではない、ということが分かってきます。こと、そろばんの練習に関しては、点数は誉めるときの材料として使うのが適切かもしれません。

先にも書きましたように、暗算を苦手とする生徒の皆さんにはみとり暗算はなかなか手強い相手ですが、そんなときこそ実物のそろばんの出番です。実物のそろばんは珠算式暗算能力を高めていく案内道具なのです。

当教室でみとり暗算を苦手としている生徒達に指導している間違い直しの方法は次のようなものです。
(例)
  29
  83
  65
  14
  70
まず、そろばんで「29+83」をゆっくりと計算します。
次に、そろばんに答の112を残したまま、すぐに暗算で「29+83」を計算します。
暗算で112になったら、そろばんで改めて「29+83+65」をゆっくりと計算します。
続いてそろばんに答の177を残したまま暗算で計算します。
暗算で正解すればまたそろばんではじめの29から14までたします、次に暗算で計算します。

このようにして、必ず最初の数字からそろばんを使って計算し、同じことを暗算で繰り返すうちに、頭の中に「良い癖」を付けていくようにしていきます。途中で間違えた時は、再びそろばんで計算します。
一つの問題をやり遂げるだけでとても時間がかかりますが、そろばんの計算に必要な珠の動きはたいてい一つの問題の中にすべて出てきますから、まずは1問題に全力集中です。

2011年11月7日(月) 家庭での練習

暗算検定まで1ヶ月を切りました。現在の練習は、暗算検定の模擬問題を使っての計測と間違い直しが中心となっています。
交換採点のあと、生徒達は自分の答案を持って私のところに報告に来ます。私は点数をパソコンに入力していきながら、得点と間違い方によって、間違い直しをする問題数や最優先で直すべき問題を指示していきます。
多い時には50名ほどが得点の報告に来るわけですが、待ち時間を作らないようにするため練習級ごとに呼び出していきます。生徒達は自分の番が来るまで間違い直しをしています。
呼ばれてもいないのに列に並んだり、呼ばれても出てこない生徒は即座に注意を受けます。採点や間違い直しをしながら指示も聞かなければならないため、慣れるまでは結構大変そうですが、それも練習のうちです。
練習時間が終わりに近づく頃、家庭での練習用に問題を自由に持って帰って良いことを生徒達に伝えることもあります。試験が近づいてくると、私が何も言わなくても「持って帰っても良いですか」と尋ねる生徒が出てきて用意していた問題が不足することも…。
ずいぶん前、家庭学習用として「こんな問題、朝飯前」というタイトルの小プリントを作っていたこともありました。文字通り、朝食の前に数分間で終わる問題です。シリーズものとして、「トイレ前、5分」とか「トイレその後に」なんていう問題を作ろうと構想を練ったのですが、文字通り受け取られると別の問題が出てきそうな気がして実現していません。

当教室は月曜日から土曜日まで毎日開けています。無制限クラスを選択すると、週に何回来てもよく、何時間練習していてもよいことになっています。教材費は、教材を無駄遣いしたり乱暴に扱ったりしない限り無料です。ですから上に書いたようにプリントを何枚も持って帰る生徒が出てきやすいのですが、しかしそれにしても不思議なのは、プリントを持って帰る生徒の多くは、ほぼ毎日練習に来ている生徒達なのです。熱心に違いないのはそうなのですが、しかし、いったい、いつ練習しているのでしょう。

2011年11月6日(日) 文化の違い

先日近所のスーパーに行ってレジを待っていた時のこと。私の前で清算していたカップルが大きな声で話しています。言葉はアジア系のものでした。
スーパーのカゴから次々に出してはバーコードを読み取らせていく店員さんが、中身が半分ほどになった飲みかけのペットボトルをお客さんの私物だと思ってバーコードを通さずにカゴに入れようとすると「それ、まだお金を支払っていません」と流ちょうな日本語で男性客が訴えます。
指摘された店員さんが改めてバーコードリーダーにペットボトルをかざすやいなや、男性客はすぐにペットボトルを取り戻してやおら口に入れるのでした。
わたしたちの感覚では、レジを通す前のものはお店のもので、レジを通せば晴れて自分のものになるという暗黙の了解があります。しかし、その方の感覚は違うものなのでした。その方だけが違うのか、その方のお国全体がそうなのか。

今日、うちの一番下の子の七五三参りに行ってきました。お寺の本堂に百人以上はいたでしょうか。儀式が粛々と進んでいく中で、なにやら違和感のある音が聞こえてきました。参拝客が携帯電話で話しているのです。話している主は、ぐずる子どもを迎えに来て欲しいと子どもの祖母に頼んでいる祖母の子ども、すなわち子どもの父親です。
自分であやす、子どもに我慢をさせる、子どもを連れて席を一時外すなどの選択肢が無く、いきなり本堂内で携帯を使い助けを求める親にはかなり違和感を持ちましたが、周囲を見ると誰一人として違和感を感じている風でもないのを見てまたまた違和感を持ってしまいました。自分が変わっているのか、社会が変わっているのか、変わった社会に自分がついて行っていないのか、もともとずれていたのか。
レジの「先入れ後出し法」の折に感じたものとは明らかに異質の感覚を持ちました。

子どもが生まれたら生物学的には自然に親になれますが、親の役割を果たすことは自然にはできません。自戒も含めてこのことを書いておこうと思います。

※ホームページを刷新した勢いなのか、生まれて初めて日記のようなものを書いてみたのがこの欄です。小学校の宿題で出てきた絵日記は強制力が働いてのものでしたが、自発的なものは生後半世紀にも達しようかという頃になって恥ずかしながら、です。
とりあえずの目標だった三日坊主はクリアできました。あとはタイトル通り「思いつく日に」自分の備忘録や塾報のネタ帳として書いていきたいと思います。

2011年11月5日(土) 双葉会&あんざん種目別チャンピオン大会

当教室が所属しております一般社団法人大阪珠算協会に、今年度「双葉会」という勉強グループができました。今日はその第2回目の会合が協会事務局で開かれ、私も参加してきました。今回の勉強のテーマは「今まで最も苦労した指導」と「今まで最もうまくいった指導」です。いくつかの分科会に分かれての報告と全体での話し合いを行いましたが、発言内容のほとんどすべてが「苦労した指導」でした。うまくいかないことのほうがうまくいったことよりも印象に残るのでしょう。というか、うまくいかないことが気に掛かって仕方がないのです。
「最善の指導」なんてものは、一瞬の後に新しい指導法が思いつくだけで「次善の指導」に落ちるという憂き目に遭う運命にあります。
生徒も自分も一日たりとて同じではありません。今教えていることが最善だと思えずに指導するのは無責任ですが、今の指導が今後も最善だと思い続けるのは危険なことです。
このことを本能的に嗅ぎ取っている先生方が集まった勉強会ですから、当然「苦労した指導」の考察に多くの時間が費やされたわけです。
次の勉強会のテーマは「作問」です。そろばんの問題は単に数字を並べるだけでできているわけではなく、「ある意図」をもって作られています。そしてその「意図」の種類を増やすことで、指導力に幅が生まれてきます。そういった意味で、作問は珠算指導者にとって格好の勉強題材だと言えます。

協会事務局に行ったついでに、12月に行われますあんざん種目別チャンピオン大会の申し込みも済ませてきました。今回の大会には当教室から50名が参加します。12月の暗算検定を受験する生徒の皆さん全員に大会の案内を渡しましたところ、検定初受験者も多数申し込みをしてくれました。
「自信がないけれど…」と言いながら申込書を出した生徒もいましたが、誰だって最初がなければ次は始まりません。宝くじだって買わなければ当たりません。抽選日までワクワクしながら過ごすのも宝くじの魅力なら、大会までちょっぴり緊張して日々を過ごすのも大会参加の醍醐味の一つです。

2011年11月3日(祝) 2011年近畿小中学生珠算競技大会

5年間続いた大商学園高等学校主催の大会を有志の先生方が引き継ぎ、多くの賛同者を得て開催された大会も今回が2回目。新たに伝票算競技が入り、名実共にさらに一段とレベルアップした感のある大会となりました。
昨年の大会終了直後に運営委員会の反省会が開かれましたが、反省会がそのまま今回の第2回大会に向けての第1回目の準備会となりました。複数回にわたる準備委員会と大西信二大会委員長を中心とする大阪珠算研究所(大阪府守口市)のスタッフによる細部にわたる万端の準備のお陰で、予定通り無事終了しました。
大会は、当日の結果もさることながら、大会に向けての練習姿勢や、大会後、日常の練習に戻った時に実力の伸びを明らかに実感できる有効な教材の一つです。そういった意味から当教室では、実力に応じて、積極的な大会参加をすべての生徒に勧めています。

information

星の郷総合教室
一般社団法人大阪珠算協会加盟

〒576-0022
大阪府交野市藤が尾4-15-20
TEL.072-895-6230
FAX.072-895-7180

newpage2.htmlへのリンク