塾長ブログ

2021.07.21

教えるべきか教えないべきか(塾報6月号より)

 6月27日の検定試験に向けて、1ヶ月ほど集中的に練習をしてきました。
 試験は、いつもの場所、いつものメンバーで実施するものの、一発勝負の緊張感もあって独特の雰囲気が漂っていますから、ただならぬ表情で受験している生徒も出てきます。
 試験までの1ヶ月ほどの練習は、①弱点箇所の洗い出しと克服 ②速度アップ ③計算種目順決定と試験予行 の3つに時期と目的をわけて実施してきました。
 一人ずつそれぞれの時期に目指すべき目標と心がけがあって、私たちは生徒の答案を見たり、必要に応じて計時中録画して克服すべき課題を発見します。
 実は点数で表されるものは氷山の一角です。良い点数だから課題が少なく、悪い点数だから課題が多いとは一概にいえないことがあるからです。
 同じ課題をどの程度の期間引きずっているか? 克服していたはずの課題が再度浮かび上がってきてはいないか? 練習量は? 計算中の姿勢は?  表情は?
 点数だけでなく、これらの材料をすべて加えた上で、どのように調理をするか、調理後どのように生徒に提供するかを判断していきます。
 物事には、教えなければいけない場合と、気づきを待って示唆にとどめた方が良い場合とがあります。
 原理原則や定石といわれるものは教えるべきです。そろばんでいえば、珠の動かし方や計算方法は教えます。かけ算やわり算のけたの考え方も教えます。
 基礎基本の習熟不足による間違いや質問には再指導します。その指導がきっかけとなって新しい教材作りにつながることもあります。私たちには指導上の盲点を知らされるつらくもうれしいときです。
 示唆にとどめるのは、不注意による失敗や認識不足の間違いに対する場合です。
 間違い直しをする生徒自身が、「あれ、同じ答になるぞ。もしかして採点ミスかな?」というような場合に「いつもやってしまうパターンのミスかな?」と感づき、試しにやってみるとはたして感づいたことが正しかったとなって「あっ、そうか」という流れを期待しているのです。
 ここで指導してしまうと、せっかく生徒自身が気づいて、知識が知恵となり、自分の血肉となる「一番おいしいところ」を味わう機会を奪ってしまうと考えています。
 教えた方が授業としては流れていくかも知れませんし、生徒自身も楽かも知れませんが、それは目の前の困難なことから一時的に逃避できることにしかなりません。
 教育は、将来への投資をコツコツとし続ける営みです。「待つ子育て」が自己肯定感に満ちた青少年の育成にきっと寄与するものと信じて、日々取り組んでいきます。

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