◎練習プリントが残り少なくなったことをある生徒がそっと報告してくれました。指導の合間に補充できたことで授業に空白ができることを防ぎ、プリントがなくて困る生徒が出ることを防ぐことができました。最後の一枚を取った人がすぐに報告してくれることもあります。準備不足だった私は生徒に救ってもらっています。
◎前列から一枚ずつ自分のプリントをとって残りを後ろに渡していくとき、一枚不足していれば最後から2番目に座っている人が最初に気づきます。その人が速やかに不足を訴え出れば、最後列に座っている人は救われます。再配布にかかる時間も短縮でき、全体が救われます。
◎1月20日の特別練習終了時、車の送迎場所でいつもの通り交通整理のために立っていた私に、軽く手を挙げて通り過ぎるドライバーさんがいらっしゃいました。乗降場所に生徒が未着だったために、「もう一周回ってきます」という意思表示を私にさりげなく伝えてくださる手振りでした。とてもスマートで、寒風の中ではありましたが心が温まりました。
◎落ちているプリントをそのままにせず拾い上げる生徒。次に停める人のことを考えて自転車を停める生徒。自転車を出しやすくするために手伝ってあげる生徒。交換採点の時に感謝の気持ちを口にできる生徒。
◎ちょっとした場面に『人』がでます。その『人』は育ってきた環境を学習することで、良くも悪くも決定されます。良い場面を目にしたとき、私はご家庭の雰囲気に思いをはせることがよくあります。
◎入室時や退室時に、あいさつをしない、あるいはしていても聞こえない生徒がいます。指導すると改善されますから、指導を受ける場面がこれまであまりなかったのでしょう。
ずいぶん前のことです。賞品を買いに行った店で、知り合いのそろばんの先生親子に会いました。中学生くらいの息子さんに「金本先生に挨拶しなさい。ポケットから手を出して!」と命ずるお父さん先生はポケットに手を突っ込んでいました。血は争えないものです。
◎年末年始、「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」「明けましておめでとうございます」と、恥ずかし気にも精一杯伝えてくれた生徒が何名かいました。ご家庭の皆様に指導され、練習してきた光景が目に浮かびます。
◎パナソニック創業者の松下幸之助氏はリーダーとして成功する人の3つの条件として「愛嬌」「運が強そうなこと」「後ろ姿」を社員に示したそうです。私にはご家庭の皆様の後ろ姿は直接見えませんが、日々の生徒の言動を通じて良い後ろ姿を想像させていただいています。
◎ひるがえって自分自身を考えてみると想像するだに恥ずかしいことも多々ありますが、今まで通り真正面から生徒と全力で向き合う2024年にすることを誓います。